シドニー・てんやわんやの年の暮れ その1

11月はパリの同時多発テロで130人以上の死傷者がでた。
世界が緊迫したそんな11月24日に羽田空港を、出発。ボンダイジャクションのホテルに滞在して、はや18日目に入った。

パリと言えば、今年の1月にもキャフェで人質とってのテロで死傷者。その1月の下旬にパリに単独で行き、2月1日乗換のイスタンプールで、なぜかガランとした乗換の持ち合いで、何時間もまたされた。心細くしていると、ただならぬ気配がする。早口のアナウンスが何を言っているのか聞き取れない。やがて集まってきた人達の声に耳を澄ますと、緊張が高まった。
人質にとられた日本人ジャーナリストの後藤さんが、今殺害されたという、インドの青年が詳しく教えてくれて、全飛行便は、待機中とのことだった。
なぜか、アメリカの9・11の同時多発テロのあとも、ニューヨークへ。広い空港には、テレビの著名なニュースキャスターと私と枝美佳の数人だけ。異様な感覚があった。

さて、冬に向かう日本から、真夏に向かうオーストラリアへ。シドニーは物価が高いと口々に言うが、シティーをはずして、ボンダイジャクションに逗留をきめたが、あたりだとよろこぶ。

語学の出来ぬ私にとって、いつも、はじめての海外と同じ。チェックインから大騒ぎ。
来年の2月頭までを枝美佳が、インターネットで予約したが、この予約がややこしい。月の区切りごとに、チェックインし、ある区切りでチェックアウトし、その日のうちに、また、チェックインしなければならない。

3日前のこと。いきなりカミさんが、自分の携帯に入ったホテルからのメッセージを、突きつける。
「15日までに、12月分の部屋代を払え、でなければ、キャンセルになる」らしいという。そんな馬鹿な❗

最初のチェツクインで、来年までの予約を確認し、カードから、適宜引き落とす、という手続きじゃないか!

鈍い頭で、英文を読む
と、なるほど15日までに払え、とある。12月31日の分をはらえ。約7万数千円とある。なんだいこれは? ひと月分では、安すぎる。
が、一泊分なら、べらぼうじやないか!

カミさんと、お互いの勝手な解釈を主張しあって、激しく口論となる。
英語が達者なら、簡単だ。電話でクレームをつけるなり、問い合わせるといいだけのことだ。でも、英語の得意の人から、「でたらめな文法、発音ハチャメチャ、日本の恥」といつも貶されているだけに、電話で、こんなややこしいこと、言えるわけがない。

テロも怖いけど、宿無しは、さらに怖い。勇を決して、レセプションに行く。
「お金は払うが、これの意味を教えてくれ」

先方の顔見知りの女性が、「言葉のつうじぬ厄介なのがきたわ」と少し身構えるのがわかる。カミさんに来た携帯を彼女に見せる。
と、カチャカチャとパソコンをいじり、首をかしげて、今度は同僚の男性スタッフと小声の早口でなにか語り合う。彼もカチャカチャとパソコンのキーをたたき、首をひねって、今度は片手で、電話。

それを見ているこちらは、段々不安になる。
長い時間に思えたが、電話のやり取りを何回もしている。

ようやく、スタッフはうなづき、彼女に早口でなにかを伝えた。彼女もほっとした顔つきで、にっこりして「サー」と呼び掛けた。今さら、サーかよ。でも嬉しいな🎵

なんのことはない31日の大晦日だけ特別料金であり、それでよければ、予約どうりにお泊まりください、と言うことだ。一泊7万数千円。高いというよりは、泊まれる喜びが先に来たもんだ。
すぐはらいますよ、とカードを出す。
カミさんが「そうそう、予約の条件に、そのこと書いてあったわ。思い出した」
チャンチャン!

次回がお楽しみで❗

                                               オチに堕ちたむらっち


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