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人生・不思議体験

「過去世と量子力学」

2018年9月20日
 【人生・不思議体験,意識の啓発】

 「過去世と量子力学」



まあ、タイトル見ただけで、引いてしまうかも、と思いつつ。


台風の関西から地震の札幌、そして東京の麻布オフィスに移動しながら、携えていたのが、これらの本です。

 

活字離れの現代ー古い友人のKは、ズケリと私に言う。文字数の多いブログなんて、誰にも見向きもされないのに、バカバカしく、よく書くねぇ!

 

でもさ、活字中毒で育った因果で、中毒患者らしく、わかっちゃいるけど、やめられない!  だから、書くのです。





無視されるのを覚悟で書いています。

15分で読めるのは、すみれさんの「かみさまは小学5年生」 特に、同じ体験を少しでもしていると、共感と不思議な自信を与えられ、それ故に、真実を伝えるお手伝いをしなければと、と言う気持ちになる。

 




15分で読めても、内容は深い。星風会で行なっているヒプノの中間世体験や過去世の本人による見聞は、大きな意味を持つことがわかる。

 

ところで、ハーバード大学医学部のエベン・アレグザンダー脳神経外科医の体験の記録「プルーフ オブ  ヘブン」は、数年前に出版されると同時に、メンバーの皆さまには、広くご紹介している。

過去世や臨死体験は、脳の幻覚によるものとする大多数のの科学者と同じ立場であったこの准教授は、難病にかかり、絶望的な7日間の昏睡状態の中で直接体験した「あの世」は、奇跡的に蘇生したこの科学者に強烈な衝撃を与え、彼の人生観、世界観をガラリと一変させたのでした。脳科学界が動転したのは当然でしょう。





花と自分が一体化した体験は、ジム・ボルト・ティラー博士でした。

 

過去世の存在を知ってしまったのです。

もちろん、その前には、キューブラ・ロス博士から、イアン・スティーブンス博士やレイモンド・ムーディー博士、近くは、ジム・カッター博士などが、臨死体験や過去世の研究で世界に知られていた。

しかし、そんなことは、絶対にあり得ないとしていた科学者が、自らの体験を通して、その立場を逆転させ、その証を発表したことで、脳科学界が動転したのは当然であったでしょう!

 

これに加えて、幾度も幾度も、セミナーで取り上げてきたハーバード大学の女流脳科学者、ジル・ボルト・テイラー博士の「奇跡の脳」は、意識を追求するものには、必読書そのもの。

この本も、人間の可能性をしめし、少しでも、意識の「ある体験」をしている方なら、左脳を失ったティラー博士が、8年間かけて回復のプロセスで起きる体験に、深い共感と、脳科学の知識との裏付けを得るとともに、新しい発見にふるえるはずです。

 





いきなりですが、もう一つの本は、脳科学とは、直接関係ないけれど、いかに我々がメディアに洗脳されているか、無意識に刷り込まれた概念があるかを、気づかせてくれるものとして、「マスコミ偽善者列伝」が面白い。一読して、大笑い!

スラスラ読める。が、深い内容に、笑ったあと、茫然とするところも多々ある。


意識をコンクリートのように固めず、多角的視点に役立つ知的笑い、ちりばめられた諧謔(かいぎゃく)に胸のつかえがおり、スカッとする。こんな方が、日本にあと2人存在するといいのになあ、と嘆息します。  





さて、最後は、「12歳の少年が書いた量子力学の教科書」 

この解説は、やめておきましょう。ボロが出る()     ちらりと  以前にご紹介したが、 天才はいるものです。

 

量子の世界は、あの世とこの世を繋ぐ科学になると面白く、実践哲学の気学の祐気と剋気の表れは、まさに量子的です。

この少年は、一言も、そんなことを言っているのではなく、これは、ムラッチの独り言です。

乱読、同時並行の秋の読書、その中毒が、たまりません。

 

 この地球はオモロイなぁ のムラッチでした

 





 















(ここに記入してください。)

「十代で読むべきだったか〜中毒になりそうな小説」

2018年4月29日
 【人生・不思議体験,意識の啓発】

    

「十代で読むべきだったか〜中毒になりそうな小説」



至福のひとときは、過密スケジュール終えて、

羽田空港に向かう新千歳空港のラウンジで、

ジェファーリー・アーチャーのクロニカル年

代記の続きを読む。


 


どうしても、やめたい!

けれど、また、繰り返す〜そんな経験やクセは、誰も体験済みでしょう。

 

そうなんです。もう、ここでやめようーでなければ、仕事ができない。締切の過ぎた原稿をどうする!

睡眠不足が続くぞ! 




 

昨年の暮れから、今年の春まで、いつもの出版と、札幌、東京、那須、大阪、京都、四国など各地のセミナー、 海外との交渉やカウンセリング、ヒプノセラピー、各種ワークショップをやるスケジュール に追われながら、手にしたのが、

「ジェフリー・アーチャーのクリプトン年代記第7部全14卷」 の小説だ。

 

一度読み出すと、どうにも止まらない!




青春、災厄、歓喜、苦悩、妨害、戦争、復讐、陰謀、裏切り、愛、命、死、栄光も挫折も、人生のドラマの全てが詰まっている。

 

およそ200年に及ぶ、怒涛の時代の流れ、そのうねりに、多彩、多様な人間 群像が、宙空に描かれる 壮大な悲喜劇とともに、綾なすタズベリーのように、  絢爛豪華に 展開されていく。

 

息をのむ と言うのは、このことだろうと思われ、血湧き肉踊るさまを、擬似体験する。眠れるはずがない。

   



20年で那須山荘の庭の桜も、幹が一回り大きく

なったようだ。ジェフリー・アーチャーの世界

から、現実に飛ぶ。これも至福のひととき〜!



十代の時、読んでおけばよかった!

と解説者も書いているが、そう思うのは、実は、実人生の生き方のコツが、満載されているからである ( ぼくの十代の頃、この作品は誕生していないけれど)

 

コツと言えば、安っぽ〜い感じだが、生きる重みがズシリと響く。自己啓発本を100册読む以上の何かを得る。わかったつもりの大脳新皮質の理解ではなく、根元的なレリジエンス力が、身につくからだと思われます。   

 

雑多な他の書物十数冊を同時に読んでいる者にとって、これは、久しぶりに活字中毒の最たるものであり、立っては読み座っては読み、機内で読み、花の下で読み、バスルームで読み、布団に潜って読むという、喜び、醍醐味を味わっています。




お陰様で、116日の誕生日に誓ってから、アルコールに一切、触れてない。酒を飲まずとも、寂しくないのは、この中毒のせいであろうか?

 

いま、テレビで、受刑者逃亡三週間という。まだ、逃げ続けているのかなあ!

 

小説は、不思議な疑似体験をする一大娯楽かも知れません。人生は、聖者がいうように、神の一大遊戯なのかもしれませんね。

 

逃亡者よ、あなたも、ゲームを楽しんでいるのかな?

 

                  ♪中毒中のむらっち でした ♪ 














「シンギュラー・ポイントと金メダル〜 涙と笑いの体験談と共に二つのセミナーの集いを終えて〜」

2018年3月4日
 【意識の啓発,セミナースケジュール,人生・不思議体験】


   


   

「シンギュラー・ポイントと金メダル〜

涙と笑いの体験談と共に二つのセミナーの集いを終えて〜」

 


ピョンチャン・オリンピックの日本のオリンピック獲得メダルは、過去最高と、日本は盛り上がった。

 

そんなオリンピックに並行して、星風アカデミーは、25回目の、毎年 春の特別セミナーとパーティを、大阪国際会議場と、札幌のホテル・レオパレスで行いました。

 

財界人、建築家、科学者、社労士、不動産鑑定士やホテル経営幹部などのゲストスピーカーや二部のパーティでの、感動的な体験は、壇上で声が詰まってしまう方々もあって、しみじみと、心を揺さぶられました。

 

私が語るのは、シンギュラー・ポイントの騒乱の時代にどう対応するが、が今年のテーマでした。

 

だけど、そんな硬い話とは別に、余興になると、一転、笑いが渦巻き、楽しい、幸せな「ゆにわ」が、広がりました。

 

昨年、今年、来年のシンギュラー・ポイントは、環境や社会情勢や自然の状況の時代の沸点によって、どのように変貌を遂げるのか。奇しくも、大政奉還から150年。

 

西郷隆盛と大久保利通、同郷の仲良しが敵味方に分かれる運命。大久保利通は、今の財務大臣で元総理大臣の麻生太郎氏のひいおじいちゃんだ。こう言えば、150年前は、遠い昔のことではない。

 

シンギュラー・ポイントで、時代はガラリと変わる。

コツコツ努力しているうちに、ある特異点に達すると、ガラリと飛躍・発展する。実力が、いっぺんに伸びる。

 

オリンピックでメダルを取るアスリートたちは、それを、必ず体験している。そして優れたコーチたちは、それを知っていて、アドバイスしているはずである。

 

「意図的練習」をしない限り、才能は伸びないからだ。アンジェラ・ダックワースやアンダース・エリクソンなどをはやくから、ご紹介もしてきたのは、アスリートや科学であれ、ビジネスや芸術や、なんであれ、優れた能力を発揮することに、参考になるはずだからでした。

 

しかし、その全てに、役立つのが量子気学である。なぜなら、量子気学の実践は、確実に「意識の拡大」を促すからです。

 

実は、アンダース・エリクソン博士や天才賞のアンジェラ・ダックワース博士らの主張する意図的練習やグリットは、量子気学の実践によって、より容易になるのです。

 

その実践は、意識の拡大をもたらすと言いましたが、それがなぜ、様々な能力を大きく伸ばすか、は別の機会に譲ります。

 

量子物理学の「量子テレポテーション」の実験のいくつかの成功は、科学的に説明されない気学の効果を、別の角度から、理解を深めてくれます。

科学が証明出来ない間は、体験によって確認をするしかありません。東洋医学のようにです。経験則は、やがて、法則の一つを生み出すでしょう。

 

いま、地球のストレスが、かなりたまっているようで、8月前後に、その印が現れ、それが来年に繋がっていきそうです。

 

新春セミナーにご参加され、また、深く関わって、成功に導いてくださった方々に感謝申し上げます。

ほんとうに、ありがとうございました。

 

                        ムラッチ;村田昌謙 




 会場は大盛況



 可愛いお嬢様から花束贈呈 Dr.ムラッチ




 生のスピーチに会場聞き入る



 ダンスで大いに盛り上がる

 



第3次会 お誕生日お祝い Dr.ムラッチ 札幌の皆様感謝いたします【撮影;佐渡】









[争乱の年に、平穏と幸運をつかむコツ]

2018年2月7日
 【気学,人生・不思議体験】

      

 

[争乱の年に、平穏と幸運をつかむコツ]


これが、火と水の洗礼を浴びる今年の、新春特別セミナー&懇親会のテーマです。

今年で、24回目の集い。

まいとし帝国ホテルやシェラトンで、行ってきました。

 

今回は、大阪国際会議場と中之島プラザホテルのフレンチレストランで、217(土曜)午後一時からセミナー。終えて、フレンチレストランルミエールでパーティです。

 

札幌は、25(日曜)午後一時ホテル・レオパレス。

 

どなたでも、ご参加でき、楽しみながら一年間の指針と高波動を全身に浴びて、幸運の波が広がっていきます。



スピーカーは、私以外に、著名な科学者、財界の方や、建築家など、様々な分野の方々が、体験とそれぞれの知見をご披露します。


 パーティ会場・大阪フレンチレストラン「ルミエール」

 

出版ほやほやの拙著


 
 今年の展望、予測の本が、今月出版されました。毎年、出版して十数年になります。217日の新春特別セミナー&懇親会にご出席の方には、プレゼント。参加できない方で本をご希望の方には、定価1700円ところ、1000円(送料込・3月中まで)でお分けします。


 経済学における景気のサイクルと、気学のサイクル、さらに伊勢神宮の[御遷宮と社会情勢]との三種のリズムが、戦争の危機・経済の発展・不運幸運を暗示するこの一年に触れているユニークな本です。

  

  

 

 

 

    



南アフリカと日本を結ぶ気エネルギー

2017年10月12日
 【人生・不思議体験,願望成就,気学,チャンスをつかむ】



南アフリカのカメレオンは人なつっこい。猛獣だけでなく可愛いい小動物もいる。




南アフリカ。参列された皆様に、ご挨拶。市長や元駐日大使やmediaの皆さんと星風アカデミーのメンバーたちです。


Good morning all at the GARDEN ROUTE BOTANICAL especially the former South African Amassador to Japan,honourable CHRISTO PRINS And Mayer of George city.
The Management and Staff of the Botanical Gardens, The Media and dignitaries.

On behalf of SEIFU ACADEMY member and myself Shouken Murata,I would like to express our gratitude for your kindness to allow us to do the tree planting in your gardens – we are very appreciative an happy.

The purpose of planting trees is to create peace and harmony between nature and human beings and to build friendship among human far beyond borders,also to wish the world peace and happiness .

In July 2004,13 years ago I paid my first visit to Africa,visiting 4 countries including South Africa.
South Africa gave me a feeling of peace which can hardly be put into words I cannot explain why but that really made me feel nostalgicI then realized it was because of the recent modern humans of African origin.
I returned in October the very same year to make a pilgrimage to Cape Town alone where I met a gentleman this is him Archie Stripp.

Since then,SEIFU ACADEMY have already planted trees with our wishes on this magnificent and silent land with his great help.

The same applies as for the former great president Nelson Mandela,the deeper part of human mind that exist pure souls that will appear and arrive to witness peace of the world.This man was a inspiration to me as far as peace is concerned. I am very greatful to all those who made it possible for us to plant trees in your wonderful country as a symbol of peace.
I thank you.




市長や駐日大使のご挨拶も・・・。




私の下手な英語も聞いてくれる



全員で言霊増強法による祈願。リードは柏木先生に依頼。



 

 いよいよ植樹の場へ。




願いを込めて、山本社長。




医師・久先生がОRSで気を送る・・・。




地元の方が事前に準備をしてくれている




参加者全員の名前を刻んだ記念碑二基。

13年来の友人であり、現地ガイドのアーチー・ストリップさんと。



「暗殺者と暗殺された男」 ~自分の運命は自分で創る~

2017年8月31日
 【気学,人生・不思議体験】

    

「粋ラボは真昼でも、不思議な異空間。集中できるセミナーです」


世界の大事件が起きると、すぐ、気学暦手帳をひらく。



 麻布オフィス/20代後半から76歳まで。いつ、スタートでも遅くない自分の人生の主役への道のり。




京都・桂坂のセミナーには、軽食の差し入れも頻繁。

それぞれ教える立場の先生方の30代が多い。





「暗殺者と暗殺された男」
~自分の運命は自分で創る~

「なぜ、そんなことがわかるの ?」
「法則だから、直感なんかいらないのです」
「機械的に、ルール通りに出せば、暗殺されるというこの男の人生が前もって、わかる訳ですか ?」
「そうです。だから、事前に対策がたてられる」
「じゃ、彼は、事前にそれを知っていたら、自分の弟に暗殺されずに、すんだわけだ」

2017年2月13日(月曜) 世界がビックリした事件のことだ。大勢の中で若い女性に暗殺された兄と、5年前に指令をだしたと言う弟。

札幌のオーガニック居酒屋「粋ラボ」でのセミナー2回目は、今年、クアラルンプールの空港で起きたその暗殺を、事例として展開した。

暗殺者と、される側の運命ーそれは、ドラマの世界のことではなかったことに、強い衝撃を多くの人が受けただろう。
セミナーでは、この二人の気学的命式を、規則どうりに(法則通りに)だすと、暗殺される側の弱さの暗示と、一方の指令出す側の強さとが、くっきりと浮かんでくる。人道的とか倫理の問題ではない。

「じゃ、暗殺された方は、自分のそうした流れを知らなかった、と言うことですか ?」
だめ押しのような、質問が飛んできた。
「そのとうりです。この方の側近なり、周辺のかたが、そうした知識があれば、悲劇は避けられたでしょう」
「一番いいのは、本人が理解していることですね」
「そう、思います。自分の運命は自分が創ることですからー」

秋の気配の忍び寄る札幌を、あとにして、まだ猛暑の東京・麻布に移動して、やはり、同じテーマでのセミナー。
自分の運命は自分で創る、自分で運命を変えることが出来る。そのためには、先天と後天の自分の弱みと強みを知る必要がある。その作業を、それぞれが楽しみながら、取り組む。
これが運命改善の、まずは、第一歩でしょう。


孫子曰く「己を知り、敵を知らば、百戦危うからず」

     ☆ 弱みを強みに変えたいムラッチです☆



「70万円の得で、130万円の損との出会いとは」 ーそれは奇跡か、必然か。みんな事実ですー最終回

2017年6月30日
 【人生・不思議体験,意図的シンクロニシティ,セミナースケジュール】

    すべて無傷で、なぜ、我がもとに戻って来てくれたのか❗







戻ってきた携帯のカバーのみ。本体は、GPSの追跡を恐れたかな?




「70万円の得で、130万円の損との出会いとは」
ーそれは奇跡か、必然か。みんな事実ですー最終回

個人の携帯電話の番号を、彼が、なぜ探し得たのか?

そんな事を考えている場合じゃない。穏やかに名乗る大使館員に、事情を説明した。
「ウーン、韓国のトランスファーでなく、入国・出国をするのですか? それでは渡航証明書は、役立たないかも知れませんね。とにかく、いまは、自宅ですから何とも出来ませんので、明日、大使館でお待ちしています」
そのあと私は彼に続けて言った。
あなた様のお名前を借りて私宛のお金を、日本から送金したと言う連絡です。どうぞ宜しくお願いします❗
と言うと、それは問題ありません、と電話は切れた。

万事休す。パスポートをつくるために、日本から戸籍謄本をとり、ヘルシンキに送ってもらうのに、どれ程時間が掛かるか、いま、3月24日なのに、4月まで日本への航空チケットはない。
一席だけ4日後に、片道の日本行きが50万円であるにはある。しかし、パスポートは4日間では準備出来ないではないか。

ガックリだ‼️
タカシロ氏が、もう口癖のようになった「タイミング時期が、みんな悪いんだよな。最悪!不運なときってえのは、そんなものだよ」と、まるで自分のことの如く、ぼやく。

羽田空港だけでなく、日本ならどこでもいいんですが、と問う私に、彼は、成田、名古屋、関空の便をみんな調べましたよ。それに追っかけて私は言う。
たとえばトルコ経由とか、ロシア経由とか、はどうですか?
すると、反射的に、彼は言う。地球の反対回りでもいいから、親しい連中に、みんな聞きましたよ。いずれも、パスポートがないと、帰国出来ないね。
吐き捨てるように言った。

「タカシロさん、これから、遅いランチでもしませんか? ご馳走させてくださいな。いまや、ゆとりがありますから(笑)」
いや、これから、仕事があるので。と言い、もうこれ以上打つ手がないので、明日の朝、一緒に大使館に行きましょう。明日9時にここへ来ますよ。
きびきびと言って、手を挙げて、ホテルから出ていった。

ホテルの部屋に入り、呼吸法をし、瞑想にはいる。

いまや、すべては、ケ・セラ・セ・ラ。なるようになる。

気がつくと、90分が過ぎていた。電話が鳴る。出ると
日本からだ。30万円弱で羽田空港の便をとれますが、と言う。お任せします。と答えた。
パスポートがなければ、無駄になることはわかっていた。
しかし、すべてお任せ。それが、思し召しならー。

そして、もう一度、瞑想に入った。静寂の、そのまた奥の奧へ~。

朝、一番。タカシロ氏と大使館に行った。
昨日の無礼を、大使館員にわび、書類と写真を渡す。彼は「昨日、韓国にも電話で問い合わせをしたのですが、国際情勢の問題もあって、微妙な様子ですね」
と書類を持って事務所の奥に消えた。
と思ったら、直ぐさま、足早に、私とガイドの前に前に現れた。
温和で静かに語る彼が、珍しく早口で私に、言った。
「村田さん、パスポートが見つかりました❗ いま、この電話に連絡です❗」
タカシロ氏と私は顔を見合わせた。

「フィンランド語がわかりますか?」と勢い込んで、タカシロ氏に言う。
うなづいた彼は、大使館員から、携帯をもぎ取るように手にした。早口のフィンランド語て応答している。
電話を切って、ここから、車で30分前後の、難民の多い町です。
すぐ行きましょ!
と言うと、大使館員も早口で応えた。では、パスポートが手に入ったら、ここへ戻って来てください!待ってます。

40年住んでいる彼でよかった。大使館員が、呼んでくれたtaxiに乗り込み、指定の場所に飛ばした。

タクシーから、羽生結弦選手たちの国際フィギュアスケートの会場となる建物の近くには、追っかけの日本ファンたちののんびりした姿が、あちらこちらに見える。
そうだ、もうすぐ国際大会だ。だから、一層、航空チケットがとれないんだ。

そう、思っているうちに、タクシーは、人影の少ない田舎の広い街路をはしる。と、背の低い街路樹の下にコロコロした中年女性が立っている前で、タカシロ氏は、車を停めさせ、窓から、彼女になにかを言った。

その女性が、うなづく。彼が降りる。もどかしく、私も降りる。彼女の手に、なんと私のエルメスのバックがあった。

えっ! 私は 声にならぬ声をたてていた。嘘ではない❗
渡された自分のバッグを手にして、そう思った。
ゆっくり中を確かめる。

まず、パスポート。開く、間違いない。
お気に入りの黒のクロコダイルの長財布。もうひとつのカード入れと、8枚のカード。さらに、携帯のカバーがあった。
ないのは、現金500ユーロと20万円の日本円。携帯電話本体がなかった。いや、もうひとつ。これらを一切ひっくるめて入れていた布製の数千円のペラペラの袋もない。

こころ優しい方。情の深い人よ。
愛用している品々をそっくり返してくれたのだ。現金が役立つなら、どうぞ、役立てて下さい。瞑想のときと、同じ感覚。理屈を超えた不思議な感謝の思いがわいてくる。

「意図的シンクロニシティを起こす」ーそれは、元のハーバード大学のジル・ボルトティラー博士の「奇跡の脳」にある体験と共通する意識状態のおりに、可能となるのでしょう。

人間の可能性は、興味深く面白い。常識を超えた可能性は、意識の奧の奥の根底にある。
その意識が、自然の法則に一体化するときに発現するのでしょう。

その日の夕方、日本でとってくれた航空チケットで、戻ってきた愛用の品々とともに、羽田空港に向かう、フィンランド航空機内にいた。

至福に包まれていた。

「我はそれなり、汝はそれなり。これすべて、それなり」(古代インドの哲学書)が、心の奥でリフレインされていました。

万感を込めて、読者のあなた様にも、有り難うございます❗

         ♪ほんとの平和と愛の発現こそーむらっち♪



「70万円の得で130万円の損の出会いとは」ーその8 ~知識不足と国際情勢~

2017年6月26日
 【人生・不思議体験,意識の啓発】


森と湖のフィンランド、冬は凍る湖。岩盤の固い国でもある.




この下で、半裸で日向ぼっこする姿がやがて見られます。



ヘルシンキ最古のカイヴォブィスト公園。ヘルシンキに来るたびに気学的奉祭を行う。

今回は、凍りがとけはじめていたれど♪



「70万円の得で130万円の損の出会いとは」ーその8
~知識不足と国際情勢~

「He-i, for You! from Jap -an , Mr.Murata」
なんとも気安い声に、レセプションを振り返ると、いつものでっぷりした中年男性のスタッフが、受話器を手で押さえて、つきだしている。

急ぎ、電話に出ると日本からだ。旅行会社の内山さんである。
先程、奥様から、連絡いただいて、大変なことを知りました。まず、何か召し上がって体力をつけて下さいね。
それと、奥様からの伝言ですが、急ぎ、先生と大使館の方のお名前で、それぞれ送金したとのことで、ヘルシンキの金融窓口にはもう
届いてるとのことです。
お二人に送金したのは、万一のことを奥様が考えて、先生が受け取れない場合、つまり、パスポートが間に合わないと受け取れないのですが、その時は、大使館の方名義のお金を受けとると言うことです。
ただし、明後日の月曜日に大使館員ご本人と先生が大使館で仮のパスポートを作って貰ってからの、お引き出しとなります。

うーん、なるほど、なんとも、心にくい心配りだと思っていると、内山さんが続けてくれた。

ヘルシンキのうちの会社と関係のある代理店のガイドを手配しました。明日の日曜の朝8時に、ホテルに行きます。
それと、奥様の枝美桂さんの指示で、さしあたりのお金として、5万円/400ユーロをガイドさん個人が、先生に一時立て替えてくれるように手配しました。ガイドのお名前はタカシロさんです。

枝美桂の手配は完璧で、英語の得意な内山さんに依頼したのだと、わかる。
内山さんの要領を得た説明にホッとして、お礼をいい電話を切った。

部屋に戻り、警察の正式の盗難届書類と、月曜に出すべき渡航証明書の用紙を並べる。
内山さんが仮のパスポートと言う言葉がひっかかる。
渡航証明書と仮のパスポートでは、内容が違う気がする。
もう一度、渡航証明書をじっくり見た。ふと、こまかい文字の羅列の欄外に
「この証明書は、二国間以上の複数にまたがって渡航することは、出来ません」と言う意味のことが書いてある。
???ー!

航空チケットは、ヘルシンキから韓国にいったん入国し、さらに出国手続きして羽田空港に向かう、と言うのではなかったか?
それが出来ないと言っているのではないか?

えっえっえっ!
もし、そうなら、明日作って貰っても、この渡航証明書は使えないではないか?

そう言えば、出発前の内山さんの言葉がよみがえる。
ご注意なさってください。ご帰国は、乗り継ぎのチケットが取れません。それで、韓国にいったん入国、それから、日本への出国手続きをしてください。そう言っていたのだ。
その時は、軽く聞いていたが、これは、大変だぞ❗

入国・出国であり、乗り換えではないのだ。
渡航証明書ではなく、パスポートを発行してもらうしかないじやないか!
大使館で、私が「パスポートを再発行してもらえるのですか?」と聞いたとき、担当の方は「そんなことをしたら、本国から、戸籍謄本を取り寄せるので、一週間以上はかかりますよ」と言われ、なるほど、そのために渡航証明書の発行なんだと安堵した。

その渡航証明書には、欄外に、韓国経由(乗り換え)はいいが、入国・出国は出来ないといっている。

ウーン、どうすべきか。もう一度、大使館員に確認しなくては! しかし、今日が土曜で、明日が日曜日。大使館は休みだ。
月曜日に、帰国だと言うのに、どうすべきか?

焦る。しかし、手の打ちようがない。覚悟を決める。

その日の夕方、下見しておいたカイヴォブィスト公園の湖の畔に行き、木気・金気・固定符の奉祭を、丁寧に、行った。
美しい夕陽が、氷の溶け始めた水面に映えていた。

いつもの優しい落ち着きが全身に、じわじわと広がっていくー。同じ地球上のことではないか。何をお前は焦るのか?
帰国出来るときに帰国すればいい。小高い丘とビルの谷間に沈み行く夕陽が、私の全身を染めあげていく。

次の日。
朝早く、ガイドは来てくれた。40年間フィンランドに住んでいると言う彼は、ロマンスグレーのいい味を出している。ハットと赤いカシミアのショールがよく似合う70代半ば。
かつては、一流ホテルにいたホテルマンと言う。
だが物言いが、どこか骨っぽい。聞くと、柔道の有段者で、現地人に教えてもいた。
40年前の海外で生きるには
まず、自分の命は、自分で守るしかないんだよな、とよく光る目で、私の目の奥をのぞきこむ。

ATMから400ユーロを引き出した彼は、東京からの指示で「5万円、400ユーロを個人的に立て替えますので、一応借用書を書いてくれますか」というので、有り難いですと、急ぎ、ホテルの用紙にしたためて、手渡した。

落ち着いたところで、いつものロビーのソファーに座り、これまでの経緯を手短に語った。
「ウーン、プロでも一度や二度は、同じ体験してますな。が、タイミング・時期は最悪ですね。休みが入り国際スケート大会やら、日本への観光客シーズンで、なかなか手配が出来にくい時期ですよ」

そのあと、私が、ゆっくり韓国経由ではない事情を語ると、端正な顔が、急に歪むほど驚き、それはまずいなぁ。ヤバいぞ、急いで大使館と連絡をとらないと、そう簡単には帰国出来ないかも知れない。いま日韓関係はよくないしと、頭をかかえた。

何か考えていたが、携帯を取り出し、まずは、大使館員のさっきの名刺を、と言う。名刺を渡しながら、今日は日曜日ですよ。と言うと、知ってます、しかしーこのままでは、ヤバイ。
と、ソファーから離れて、携帯をかけている。

電話を掛けて戻ってくると日本への航空券は、4日後の木曜日に4000ユーロが一席だけ空いている、と窓口の友人が言ってますな。3月いっぱい、どの便も日本行きは、満席で、最悪の事態ですよ。

4000ユーロ?片道で50万円か。しかも5日後の木曜日だなんて。心の内でつぶやく。事態の重大さに、改めてガックリする。

と、また、彼が携帯を持ってきて、「大使館のY氏をようやく探し当てた。はい、直接、彼に事情を話してください」

えっ! 休みの彼の個人携帯どうして調べた?
と言うまもなく、携帯を渡された。慌てて、
「もしもし、先日の村田です。お休みのところ、申し訳ありません。実は、緊急なことをご連絡したくてお電話致しました」

                      ♪無知ゆえの困惑の
                            むらっち♪










「70万円の得で130万円のそんな出会いとは」 ~奇跡が起きた~その7

2017年6月7日
 【意識の啓発,セミナースケジュール,人生・不思議体験】

    「70万円の得で130万円のそんな出会いとは」
~奇跡が起きた~その7

その夜は、たっぷり瞑想し、「遠雷と蜂蜜」 の大団円の小説の織り成すバーチャル・リアリティーにひたりきり、爽やかな朝を迎えた。
心身ともに、充実感に満ちている。

500ページ余の大部な作品を、読みきった満足感、虚構の世界に盛り込まれた真実のもつ迫力と、才能と後戻りできぬ運命の流れ、青春の爆発的生命のほとばしりが、トレースされる自分のセピア色に霞む青春の名残とかさなり、炙り出されてくる。
感動と大きなカタルシスの涙が、ヘルシンキの清々しい朝を迎えさせてくれたのだろう。

約束の朝だ。8時30分。ピッタリに電話が鳴った。レセプションからお客様だとの連絡に、待ってましたと動く。
以下は、派遣されたガイドのヨシミさんの、立場で書こう。

あまり日本人観光客は来ない、街から離れたホテル。ビジネスホテル風の4つ星。10分ほど早めに着き、ロビーのソファーに座って待っていた。
指示によれば、村田さんと言う名の男性だな、心のなかで確認していると、すらりとした細身の日本人青年二人が、目の前を通り過ぎようとする。ヨシミさんは、立ち上がって声をかけた。
「村田さんですね?」
「はい、そうですが」とすらりと背の高い青年が答えた。
「私、ガイドのヨシミです。あの、どちらが、村田さんで?」
「は? 二人とも、村田製作所の者ですが。昨夜、ここに着いたばかりですけれど」
ヨシミさんは、ビックリして、慌てて自分の勘違いを、謝った。こんなことってあるんだ、人生には。どんな確率かは知らないけれど、と思いながら、ソファーに座りなおした。ノーベル賞の田中博士を輩出した京都に本社のある、あの村田製作所の村田だったのね。

そこへ、6階から降りてきた私は、60代半ばのヨシミさんに会ったのだった。「ちょっとした奇跡ですよ。会わないはずの場所での日本人に、同じ名前の間違いって。凄い確率よ(笑)」自己紹介のあと、村田違いを、笑いながら、ヨシミさんは気さくに語る。

しかし、本当の奇跡は、この後に用意されていたのだが~。

ヨシミさんは、大学では、比較文化を研究し、フィンランドに惹かれて生活、現地のエンジニアーと結婚し30年になるベテランガイド。
時間を無駄することなく、てきぱき動く。
電車・バスのチケットを買うように促され、小雨降るなか、電車・バスを乗り継ぎ、郊外の遺失物届けの警察へ。銀行の窓口のようなところで、制服の警察官に、彼女は、フィンランド語の通訳してくれ、40分ぐらいで、正式の盗難届け書が、作成された。

さっさと、ホテルに戻ると、彼女は、私に言った。
「2時間ちょっとかかったわね。2時間って言うことで、レゼプションから、会社に報告してくるね」
と、さっさと、レゼプションに向かう。
2時間で80ユーロか。今、それを払わなければならない。だけど、今あるのは、交通費に使ったから、手元には30ユーロし残っていないじゃないか。

どうする? この腕時計を、渡そうか。だが、こんな時に限って、数万円の安いのしか持ってきていなかった。

レゼプションを見やり、電話をしているとヨシミさんから、目をそらし、今朝のソファーで、まず落ち着こうじゃないか。と、そのソファーに向かおうと、前を向くと、二人の日本人青年が、パソコンで熱心に仕事の話をしている姿が、目に飛び込んできた。

なんのためらいも、迷いもなかった。真っ直ぐ背筋を伸ばし、清潔そうな二人の正面に、真っ直ぐ歩んで、声をかけた。
「お仕事中、申し訳ありませんが、緊急なので、3分ほどお時間をいただけますか」ビックリしている二人の青年に、畳み掛けた。

名乗り、ファックスした折の自分の名刺のコピーと、警察の盗難届けの正式書類を、二人の前に示し、一気に事情を語った。そして、50ユーロずつを、お貸し下さいますよう、にお願いをした。
リーダー格の青年が、この盗難届けって、出来立てホヤホヤですね。と言いつつ、もう一人の青年と共に、50ユーロずつを、テーブルに並べてくれた。

そこへ、電話を終えたヨシミさんが、現れた。
二人の青年に、あら? と言った表情で、軽く会釈をしてから私に、2時間で報告して80ユーロでOKですと言う。
その彼女の手に、借りたばかりの中から80ユーロをのせ、改めて多目のチップをご本人と、枝美佳に連絡してくれた女性にも渡して、と託した。
ヨシミさんは、あら、有り難うね、うちの電話の彼女にも、キッチリお渡しておきますね、と嬉しそうに言い、また、どこかでお会いできますように、と陽気に言い残して、帰って行った。

まさか、今朝、こんなところで、同じ村田の名の「村田違い」をした
その村田さんから、この村田さんが、お金を借りて、ご自分のギャラに充(あ)てられたこと。しかも、たった今、絶妙のタイミングでお金のやりとりが、なめらかスムーズになされたこと。
など、ヨシミさんは、全く知らないままに、見事に業務を果たして、帰って行かれたのだ。

二人の青年も、ヨシミさんとやりとりしている間に、出掛けていた。

誰も居なくなったロビーで、人間の知恵を越えた奇跡的なシンクロニシテイのことを、ぼんやり、考えていた。しばらく目を閉じていた。じわーと有り難さが、わいてくる。感謝せずにいられますか。

その時、レゼプションの男性が、電話です、と声をかけてきた。
ドキッとして、ソファーから立ち上がった。


                ∮ ただ素直なムラッチ∮




フィンランドにもいる『ミヤコドリ』には、パスポートなく国境もないのだ。



『正式のフィンランド警察の盗難届』


「70万円の得で130万円の損な出会いとは」 ー一難去って、また一難ーその6

2017年5月30日
 【チャンスをつかむ,人生・不思議体験】

「70万円の得で130万円の損な出会いとは」
ー一難去って、また一難ーその6

元気よく電話に出た。若い女性の声はマリーと名乗ったが、真理かもしれない。
マリーさんですね。実は、お願いがあって。と、一気にまくし立てそうになるのを、深くひと呼吸して、これまでの事情を述べた。
受話器の向こうから、同情に溢れた声が返ってきた。
「わかりました。こちらで500ユーロ準備して欲しいということ、と警察へのガイドと、フィンランド語の通訳ですね。はい手配してみますね。
多分、明日の朝一番、8時半にそちらのロビーに、ヨシミさんを派遣する予定です。2時間前後、もう一度、ご連絡をします。
はい? 奥様へのメールを、ですか。はい、いいですよ。連絡が取れていないのですね。ええ、私の携帯で、やってみますね」

閉ざされていた厚い壁がなくなり、目の前が開けてくる気がした。わくわくして電話を切った。

手配は、すべて終えた。あとは待つのみ。フッーと、安堵の呼吸をして、メイキングされたベッドに、仰向けに倒れこむ。
助かったあー🎵 自然に小さく呟いていた。

しかし、それほど現実は、甘くないのを、やがて思い知らされるのだが、この時は、知るよしもない。

そうだ、マリーさんから電話があるまで、瞑想だ。ベッドの上に起き上がり、呼吸法をし、瞑想に入る。
だが、目を閉じるや否や、これまでのことが、フラッシュバックされてくる。

プレゼントされた、フィンランド航空機内の、ゆったり寛いだ至福の時と空間。
「蜜蜂と遠雷」の作品世界と重なる甘美な惜春への涙。
空港に着くと、懐かしい石畳の街をタクシーは走っていた。

その天国からあっという間に、地獄への逆転。散歩の途中で、立ち寄った一流ホテルのロビーで、文字どうり、無一文になった。パスポートも財布も手帳も何もかも盗られた。読み差しの「蜂蜜と遠雷」の本1冊を残してー。

とても瞑想どころではない。
さまざまな妄想が浮かび、波打つ感情が押し寄せては、消える。そうした雑念を、静かにトレースして、静かに眺める。それが、コツなのを、長年の体験で知っている。やがて落ち着いてくる。
落ち着いたところで、あらためて呼吸法をして、ゆったりと瞑想に入った。

~静けさが、次第に拡がっていく。マントラに乗って、意識の深い海とも言うべき世界へ、入って行く。暗黒のはずなのに、無限の広がりは、どこまでも明るく、時間が止まっている。いつしかマントラは消えていた。
もう、何もない。世界の果てまで、透明に広がっている。空(くう)の世界ながら、多幸感と平安の満ちる静止している宇宙だ。

~やがて、広がる静寂のなかから、そっと立ち上がってくる微かな想念がある。そのまま受けとめる。
その想念が、そっと話しかけてくる。言葉にならないことばでー。
ああ、わがパスポートだ。さらに、使いなれた財布。バッグも。手帳までも。どこか、懐かしく、愛(いと)おしい。それぞれの身の回りのグッズたちが、いま、寂しがっている。僕を呼んでいる。
まるで、我が分身のようだ。出かけるぼくに、愛しているペットが、早く帰って来て、と見上げる目つきだ。

お前たちは、新しい主(あるじ)と一緒になるんだよ。大事にしてもらいなさい。ぼくからも、新しい主に頼んであげるからね。

どんな方か知らないが、どうか、彼らを、可愛がってあげて欲しい。けして乱暴にしないで。粗末にしないで。彼らになんの罪はないのだから。お金は、どうか、いい形で役立ててくれると有り難い。できれば、一言でいいから、彼らお金に、有り難う、と言ってくれると、嬉しい。有り難い。
それにしても、パスポートよ、ごめんな、更新したばかりなのに、早くも離れ離れになるなんて、僕の不注意から、苦労かけるね。許してほしい。ホントにごめんね。
持って行った人よ、パスポートを、どうか、乱暴にしないで欲しい、変な所に捨てないで欲しい。できれば、心優しいかたに、拾われて欲しい。

~そうした想念の波は、私をくるみ、しばらくすると、静かに立ち去っていた。
盗まれた品々も、それを盗って行った人も、なぜか、全てが愛おしい存在に思えくる。

瞑想を、終えて、しばらく、ベッドに横たわっていた。
一切の不安も焦りも、まして、怒りや悔しさも、消え去っていた。
なぜか、目尻から流れていた一筋の涙を、拳で拭いて、ベッドに起き上がった。
そのとき、電話が鳴ったー。

元気よく電話に出た。マリーだった。
「手配は、つきました。」さっきと違い、なぜか口調が硬い。不吉な予感がする。
残念ですが会社として、お金のお立て替えは、出来ません。それに、2時間なら80ユーロ、3時間で130ユーロを、その場で現金払いとなっています。お支払出来なければ、手配は致しかねます。電話口から冷たい声が聞こえた。ショック!
交通費も、ご自身のご負担です。大丈夫ですか?
(大丈夫なものか。100ユーロ借りて、タクシー代とチップで20ユーロ。残り80ユーロ。電車代を入れると、ガイドへの支払いが足りないじゃないか) しかし、ここで、電話をきられては、万事休す。また振り出しに戻る。微かな帰国の糸が、切れてしまう。
「はい。大使館で借りたお金がありますので、ご心配いりません」
仕方がない。嘘も方便だ。
すると、マリーは、ほっとした声で、それでは、明日の朝、一番にヨシミさんが行きますので、宜しくお願いします。そのあと、少しくだけた口調になり、日本の奥様に、私の携帯から今回の事情のメールを送信しておきましたよ。問題ないと思うわ。と言って電話が切れた。
嬉しかった。多分、枝美佳への連絡は間違いないだろう。

もう、明日の朝まで、やることはなかった。夕陽は、とっくに沈み、窓ガラスに外のビルのネオンが、反射している。

今日こそ、読みきろう、ページを開く。「蜂蜜と遠雷」の最終章にちかい。ーー遠くまで来てしまった。青春の一時期、誰もが夢見る自分の天才とコンプレックス、自負と引けめと、純粋性と傲慢さ、その制御のきかない生命力の発露は、とうに消え失せたのだろうか。ーー引き返すことの出来ない道、残照が照らす晩秋の人生の細い道。

読むほどに、ページから立ち上がってくるメロディーとともに、激しい青春の命の容赦しない炎のぶっつかり合いの火花が、遠雷のような埋もれかけた追憶を、あぶり出し引き出してくる。生き生きと飛び跳ねる登場人物らに重なり、それと対称的なセピア色の我が青い命ーー哀惜と追憶ーー引き返すことのない道への限り無い悔恨ーー読み進むページに、不覚にも涙が溢れ落ちる。しばし、ページを閉じて、子供のように、声を出して泣いてみる。やがてその泣きじゃくる声を消すかのように、本の紙の奥から、轟くようなオーケストラの圧倒する音が、押し寄せてくる。

何をしているのだ、俺は!
その時、電話が鳴った。枝美佳であった。悪いことを見つけられた子供のように、慌てて、しゃんとして、平気を装って諸々の事情を話した。

こちらが頼む前に、枝美佳は、てきぱきと、すでに必要なことを手配していた。送金方法だけは、マイナンバーがいることなど、大使館員に聞いた通りを伝えた。マイナンバーなんか、どうなっているか全く知らないからだ。こんな時に必要とは、国の作戦のような気が、しないでもない。

∮ 翻弄されるだけのムラッチ∮




〈彼らが、ぼくを呼んでいる……!〉

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運命を創る専門家/Dr.むらっちのモットー

運命カウンセラー。作家。心理学博士。健康科学博士。気学家。
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