Dr.むらっちブログ Dr.むらっちブログ
  • HOME >
  • Dr.むらっちブログ

Dr.むらっちブログ

「70万円の得で、130万円の損との出会いとは」 ーそれは奇跡か、必然か。みんな事実ですー最終回

2017年6月30日
 【人生・不思議体験,意図的シンクロニシティ,セミナースケジュール】

    すべて無傷で、なぜ、我がもとに戻って来てくれたのか❗







戻ってきた携帯のカバーのみ。本体は、GPSの追跡を恐れたかな?




「70万円の得で、130万円の損との出会いとは」
ーそれは奇跡か、必然か。みんな事実ですー最終回

個人の携帯電話の番号を、彼が、なぜ探し得たのか?

そんな事を考えている場合じゃない。穏やかに名乗る大使館員に、事情を説明した。
「ウーン、韓国のトランスファーでなく、入国・出国をするのですか? それでは渡航証明書は、役立たないかも知れませんね。とにかく、いまは、自宅ですから何とも出来ませんので、明日、大使館でお待ちしています」
そのあと私は彼に続けて言った。
あなた様のお名前を借りて私宛のお金を、日本から送金したと言う連絡です。どうぞ宜しくお願いします❗
と言うと、それは問題ありません、と電話は切れた。

万事休す。パスポートをつくるために、日本から戸籍謄本をとり、ヘルシンキに送ってもらうのに、どれ程時間が掛かるか、いま、3月24日なのに、4月まで日本への航空チケットはない。
一席だけ4日後に、片道の日本行きが50万円であるにはある。しかし、パスポートは4日間では準備出来ないではないか。

ガックリだ‼️
タカシロ氏が、もう口癖のようになった「タイミング時期が、みんな悪いんだよな。最悪!不運なときってえのは、そんなものだよ」と、まるで自分のことの如く、ぼやく。

羽田空港だけでなく、日本ならどこでもいいんですが、と問う私に、彼は、成田、名古屋、関空の便をみんな調べましたよ。それに追っかけて私は言う。
たとえばトルコ経由とか、ロシア経由とか、はどうですか?
すると、反射的に、彼は言う。地球の反対回りでもいいから、親しい連中に、みんな聞きましたよ。いずれも、パスポートがないと、帰国出来ないね。
吐き捨てるように言った。

「タカシロさん、これから、遅いランチでもしませんか? ご馳走させてくださいな。いまや、ゆとりがありますから(笑)」
いや、これから、仕事があるので。と言い、もうこれ以上打つ手がないので、明日の朝、一緒に大使館に行きましょう。明日9時にここへ来ますよ。
きびきびと言って、手を挙げて、ホテルから出ていった。

ホテルの部屋に入り、呼吸法をし、瞑想にはいる。

いまや、すべては、ケ・セラ・セ・ラ。なるようになる。

気がつくと、90分が過ぎていた。電話が鳴る。出ると
日本からだ。30万円弱で羽田空港の便をとれますが、と言う。お任せします。と答えた。
パスポートがなければ、無駄になることはわかっていた。
しかし、すべてお任せ。それが、思し召しならー。

そして、もう一度、瞑想に入った。静寂の、そのまた奥の奧へ~。

朝、一番。タカシロ氏と大使館に行った。
昨日の無礼を、大使館員にわび、書類と写真を渡す。彼は「昨日、韓国にも電話で問い合わせをしたのですが、国際情勢の問題もあって、微妙な様子ですね」
と書類を持って事務所の奥に消えた。
と思ったら、直ぐさま、足早に、私とガイドの前に前に現れた。
温和で静かに語る彼が、珍しく早口で私に、言った。
「村田さん、パスポートが見つかりました❗ いま、この電話に連絡です❗」
タカシロ氏と私は顔を見合わせた。

「フィンランド語がわかりますか?」と勢い込んで、タカシロ氏に言う。
うなづいた彼は、大使館員から、携帯をもぎ取るように手にした。早口のフィンランド語て応答している。
電話を切って、ここから、車で30分前後の、難民の多い町です。
すぐ行きましょ!
と言うと、大使館員も早口で応えた。では、パスポートが手に入ったら、ここへ戻って来てください!待ってます。

40年住んでいる彼でよかった。大使館員が、呼んでくれたtaxiに乗り込み、指定の場所に飛ばした。

タクシーから、羽生結弦選手たちの国際フィギュアスケートの会場となる建物の近くには、追っかけの日本ファンたちののんびりした姿が、あちらこちらに見える。
そうだ、もうすぐ国際大会だ。だから、一層、航空チケットがとれないんだ。

そう、思っているうちに、タクシーは、人影の少ない田舎の広い街路をはしる。と、背の低い街路樹の下にコロコロした中年女性が立っている前で、タカシロ氏は、車を停めさせ、窓から、彼女になにかを言った。

その女性が、うなづく。彼が降りる。もどかしく、私も降りる。彼女の手に、なんと私のエルメスのバックがあった。

えっ! 私は 声にならぬ声をたてていた。嘘ではない❗
渡された自分のバッグを手にして、そう思った。
ゆっくり中を確かめる。

まず、パスポート。開く、間違いない。
お気に入りの黒のクロコダイルの長財布。もうひとつのカード入れと、8枚のカード。さらに、携帯のカバーがあった。
ないのは、現金500ユーロと20万円の日本円。携帯電話本体がなかった。いや、もうひとつ。これらを一切ひっくるめて入れていた布製の数千円のペラペラの袋もない。

こころ優しい方。情の深い人よ。
愛用している品々をそっくり返してくれたのだ。現金が役立つなら、どうぞ、役立てて下さい。瞑想のときと、同じ感覚。理屈を超えた不思議な感謝の思いがわいてくる。

「意図的シンクロニシティを起こす」ーそれは、元のハーバード大学のジル・ボルトティラー博士の「奇跡の脳」にある体験と共通する意識状態のおりに、可能となるのでしょう。

人間の可能性は、興味深く面白い。常識を超えた可能性は、意識の奧の奥の根底にある。
その意識が、自然の法則に一体化するときに発現するのでしょう。

その日の夕方、日本でとってくれた航空チケットで、戻ってきた愛用の品々とともに、羽田空港に向かう、フィンランド航空機内にいた。

至福に包まれていた。

「我はそれなり、汝はそれなり。これすべて、それなり」(古代インドの哲学書)が、心の奥でリフレインされていました。

万感を込めて、読者のあなた様にも、有り難うございます❗

         ♪ほんとの平和と愛の発現こそーむらっち♪



「70万円の得で130万円の損の出会いとは」ーその8 ~知識不足と国際情勢~

2017年6月26日
 【人生・不思議体験,意識の啓発】


森と湖のフィンランド、冬は凍る湖。岩盤の固い国でもある.




この下で、半裸で日向ぼっこする姿がやがて見られます。



ヘルシンキ最古のカイヴォブィスト公園。ヘルシンキに来るたびに気学的奉祭を行う。

今回は、凍りがとけはじめていたれど♪



「70万円の得で130万円の損の出会いとは」ーその8
~知識不足と国際情勢~

「He-i, for You! from Jap -an , Mr.Murata」
なんとも気安い声に、レセプションを振り返ると、いつものでっぷりした中年男性のスタッフが、受話器を手で押さえて、つきだしている。

急ぎ、電話に出ると日本からだ。旅行会社の内山さんである。
先程、奥様から、連絡いただいて、大変なことを知りました。まず、何か召し上がって体力をつけて下さいね。
それと、奥様からの伝言ですが、急ぎ、先生と大使館の方のお名前で、それぞれ送金したとのことで、ヘルシンキの金融窓口にはもう
届いてるとのことです。
お二人に送金したのは、万一のことを奥様が考えて、先生が受け取れない場合、つまり、パスポートが間に合わないと受け取れないのですが、その時は、大使館の方名義のお金を受けとると言うことです。
ただし、明後日の月曜日に大使館員ご本人と先生が大使館で仮のパスポートを作って貰ってからの、お引き出しとなります。

うーん、なるほど、なんとも、心にくい心配りだと思っていると、内山さんが続けてくれた。

ヘルシンキのうちの会社と関係のある代理店のガイドを手配しました。明日の日曜の朝8時に、ホテルに行きます。
それと、奥様の枝美桂さんの指示で、さしあたりのお金として、5万円/400ユーロをガイドさん個人が、先生に一時立て替えてくれるように手配しました。ガイドのお名前はタカシロさんです。

枝美桂の手配は完璧で、英語の得意な内山さんに依頼したのだと、わかる。
内山さんの要領を得た説明にホッとして、お礼をいい電話を切った。

部屋に戻り、警察の正式の盗難届書類と、月曜に出すべき渡航証明書の用紙を並べる。
内山さんが仮のパスポートと言う言葉がひっかかる。
渡航証明書と仮のパスポートでは、内容が違う気がする。
もう一度、渡航証明書をじっくり見た。ふと、こまかい文字の羅列の欄外に
「この証明書は、二国間以上の複数にまたがって渡航することは、出来ません」と言う意味のことが書いてある。
???ー!

航空チケットは、ヘルシンキから韓国にいったん入国し、さらに出国手続きして羽田空港に向かう、と言うのではなかったか?
それが出来ないと言っているのではないか?

えっえっえっ!
もし、そうなら、明日作って貰っても、この渡航証明書は使えないではないか?

そう言えば、出発前の内山さんの言葉がよみがえる。
ご注意なさってください。ご帰国は、乗り継ぎのチケットが取れません。それで、韓国にいったん入国、それから、日本への出国手続きをしてください。そう言っていたのだ。
その時は、軽く聞いていたが、これは、大変だぞ❗

入国・出国であり、乗り換えではないのだ。
渡航証明書ではなく、パスポートを発行してもらうしかないじやないか!
大使館で、私が「パスポートを再発行してもらえるのですか?」と聞いたとき、担当の方は「そんなことをしたら、本国から、戸籍謄本を取り寄せるので、一週間以上はかかりますよ」と言われ、なるほど、そのために渡航証明書の発行なんだと安堵した。

その渡航証明書には、欄外に、韓国経由(乗り換え)はいいが、入国・出国は出来ないといっている。

ウーン、どうすべきか。もう一度、大使館員に確認しなくては! しかし、今日が土曜で、明日が日曜日。大使館は休みだ。
月曜日に、帰国だと言うのに、どうすべきか?

焦る。しかし、手の打ちようがない。覚悟を決める。

その日の夕方、下見しておいたカイヴォブィスト公園の湖の畔に行き、木気・金気・固定符の奉祭を、丁寧に、行った。
美しい夕陽が、氷の溶け始めた水面に映えていた。

いつもの優しい落ち着きが全身に、じわじわと広がっていくー。同じ地球上のことではないか。何をお前は焦るのか?
帰国出来るときに帰国すればいい。小高い丘とビルの谷間に沈み行く夕陽が、私の全身を染めあげていく。

次の日。
朝早く、ガイドは来てくれた。40年間フィンランドに住んでいると言う彼は、ロマンスグレーのいい味を出している。ハットと赤いカシミアのショールがよく似合う70代半ば。
かつては、一流ホテルにいたホテルマンと言う。
だが物言いが、どこか骨っぽい。聞くと、柔道の有段者で、現地人に教えてもいた。
40年前の海外で生きるには
まず、自分の命は、自分で守るしかないんだよな、とよく光る目で、私の目の奥をのぞきこむ。

ATMから400ユーロを引き出した彼は、東京からの指示で「5万円、400ユーロを個人的に立て替えますので、一応借用書を書いてくれますか」というので、有り難いですと、急ぎ、ホテルの用紙にしたためて、手渡した。

落ち着いたところで、いつものロビーのソファーに座り、これまでの経緯を手短に語った。
「ウーン、プロでも一度や二度は、同じ体験してますな。が、タイミング・時期は最悪ですね。休みが入り国際スケート大会やら、日本への観光客シーズンで、なかなか手配が出来にくい時期ですよ」

そのあと、私が、ゆっくり韓国経由ではない事情を語ると、端正な顔が、急に歪むほど驚き、それはまずいなぁ。ヤバいぞ、急いで大使館と連絡をとらないと、そう簡単には帰国出来ないかも知れない。いま日韓関係はよくないしと、頭をかかえた。

何か考えていたが、携帯を取り出し、まずは、大使館員のさっきの名刺を、と言う。名刺を渡しながら、今日は日曜日ですよ。と言うと、知ってます、しかしーこのままでは、ヤバイ。
と、ソファーから離れて、携帯をかけている。

電話を掛けて戻ってくると日本への航空券は、4日後の木曜日に4000ユーロが一席だけ空いている、と窓口の友人が言ってますな。3月いっぱい、どの便も日本行きは、満席で、最悪の事態ですよ。

4000ユーロ?片道で50万円か。しかも5日後の木曜日だなんて。心の内でつぶやく。事態の重大さに、改めてガックリする。

と、また、彼が携帯を持ってきて、「大使館のY氏をようやく探し当てた。はい、直接、彼に事情を話してください」

えっ! 休みの彼の個人携帯どうして調べた?
と言うまもなく、携帯を渡された。慌てて、
「もしもし、先日の村田です。お休みのところ、申し訳ありません。実は、緊急なことをご連絡したくてお電話致しました」

                      ♪無知ゆえの困惑の
                            むらっち♪










「70万円の得で130万円のそんな出会いとは」 ~奇跡が起きた~その7

2017年6月7日
 【意識の啓発,セミナースケジュール,人生・不思議体験】

    「70万円の得で130万円のそんな出会いとは」
~奇跡が起きた~その7

その夜は、たっぷり瞑想し、「遠雷と蜂蜜」 の大団円の小説の織り成すバーチャル・リアリティーにひたりきり、爽やかな朝を迎えた。
心身ともに、充実感に満ちている。

500ページ余の大部な作品を、読みきった満足感、虚構の世界に盛り込まれた真実のもつ迫力と、才能と後戻りできぬ運命の流れ、青春の爆発的生命のほとばしりが、トレースされる自分のセピア色に霞む青春の名残とかさなり、炙り出されてくる。
感動と大きなカタルシスの涙が、ヘルシンキの清々しい朝を迎えさせてくれたのだろう。

約束の朝だ。8時30分。ピッタリに電話が鳴った。レセプションからお客様だとの連絡に、待ってましたと動く。
以下は、派遣されたガイドのヨシミさんの、立場で書こう。

あまり日本人観光客は来ない、街から離れたホテル。ビジネスホテル風の4つ星。10分ほど早めに着き、ロビーのソファーに座って待っていた。
指示によれば、村田さんと言う名の男性だな、心のなかで確認していると、すらりとした細身の日本人青年二人が、目の前を通り過ぎようとする。ヨシミさんは、立ち上がって声をかけた。
「村田さんですね?」
「はい、そうですが」とすらりと背の高い青年が答えた。
「私、ガイドのヨシミです。あの、どちらが、村田さんで?」
「は? 二人とも、村田製作所の者ですが。昨夜、ここに着いたばかりですけれど」
ヨシミさんは、ビックリして、慌てて自分の勘違いを、謝った。こんなことってあるんだ、人生には。どんな確率かは知らないけれど、と思いながら、ソファーに座りなおした。ノーベル賞の田中博士を輩出した京都に本社のある、あの村田製作所の村田だったのね。

そこへ、6階から降りてきた私は、60代半ばのヨシミさんに会ったのだった。「ちょっとした奇跡ですよ。会わないはずの場所での日本人に、同じ名前の間違いって。凄い確率よ(笑)」自己紹介のあと、村田違いを、笑いながら、ヨシミさんは気さくに語る。

しかし、本当の奇跡は、この後に用意されていたのだが~。

ヨシミさんは、大学では、比較文化を研究し、フィンランドに惹かれて生活、現地のエンジニアーと結婚し30年になるベテランガイド。
時間を無駄することなく、てきぱき動く。
電車・バスのチケットを買うように促され、小雨降るなか、電車・バスを乗り継ぎ、郊外の遺失物届けの警察へ。銀行の窓口のようなところで、制服の警察官に、彼女は、フィンランド語の通訳してくれ、40分ぐらいで、正式の盗難届け書が、作成された。

さっさと、ホテルに戻ると、彼女は、私に言った。
「2時間ちょっとかかったわね。2時間って言うことで、レゼプションから、会社に報告してくるね」
と、さっさと、レゼプションに向かう。
2時間で80ユーロか。今、それを払わなければならない。だけど、今あるのは、交通費に使ったから、手元には30ユーロし残っていないじゃないか。

どうする? この腕時計を、渡そうか。だが、こんな時に限って、数万円の安いのしか持ってきていなかった。

レゼプションを見やり、電話をしているとヨシミさんから、目をそらし、今朝のソファーで、まず落ち着こうじゃないか。と、そのソファーに向かおうと、前を向くと、二人の日本人青年が、パソコンで熱心に仕事の話をしている姿が、目に飛び込んできた。

なんのためらいも、迷いもなかった。真っ直ぐ背筋を伸ばし、清潔そうな二人の正面に、真っ直ぐ歩んで、声をかけた。
「お仕事中、申し訳ありませんが、緊急なので、3分ほどお時間をいただけますか」ビックリしている二人の青年に、畳み掛けた。

名乗り、ファックスした折の自分の名刺のコピーと、警察の盗難届けの正式書類を、二人の前に示し、一気に事情を語った。そして、50ユーロずつを、お貸し下さいますよう、にお願いをした。
リーダー格の青年が、この盗難届けって、出来立てホヤホヤですね。と言いつつ、もう一人の青年と共に、50ユーロずつを、テーブルに並べてくれた。

そこへ、電話を終えたヨシミさんが、現れた。
二人の青年に、あら? と言った表情で、軽く会釈をしてから私に、2時間で報告して80ユーロでOKですと言う。
その彼女の手に、借りたばかりの中から80ユーロをのせ、改めて多目のチップをご本人と、枝美佳に連絡してくれた女性にも渡して、と託した。
ヨシミさんは、あら、有り難うね、うちの電話の彼女にも、キッチリお渡しておきますね、と嬉しそうに言い、また、どこかでお会いできますように、と陽気に言い残して、帰って行った。

まさか、今朝、こんなところで、同じ村田の名の「村田違い」をした
その村田さんから、この村田さんが、お金を借りて、ご自分のギャラに充(あ)てられたこと。しかも、たった今、絶妙のタイミングでお金のやりとりが、なめらかスムーズになされたこと。
など、ヨシミさんは、全く知らないままに、見事に業務を果たして、帰って行かれたのだ。

二人の青年も、ヨシミさんとやりとりしている間に、出掛けていた。

誰も居なくなったロビーで、人間の知恵を越えた奇跡的なシンクロニシテイのことを、ぼんやり、考えていた。しばらく目を閉じていた。じわーと有り難さが、わいてくる。感謝せずにいられますか。

その時、レゼプションの男性が、電話です、と声をかけてきた。
ドキッとして、ソファーから立ち上がった。


                ∮ ただ素直なムラッチ∮




フィンランドにもいる『ミヤコドリ』には、パスポートなく国境もないのだ。



『正式のフィンランド警察の盗難届』


「70万円の得で130万円の損な出会いとは」 ー一難去って、また一難ーその6

2017年5月30日
 【チャンスをつかむ,人生・不思議体験】

「70万円の得で130万円の損な出会いとは」
ー一難去って、また一難ーその6

元気よく電話に出た。若い女性の声はマリーと名乗ったが、真理かもしれない。
マリーさんですね。実は、お願いがあって。と、一気にまくし立てそうになるのを、深くひと呼吸して、これまでの事情を述べた。
受話器の向こうから、同情に溢れた声が返ってきた。
「わかりました。こちらで500ユーロ準備して欲しいということ、と警察へのガイドと、フィンランド語の通訳ですね。はい手配してみますね。
多分、明日の朝一番、8時半にそちらのロビーに、ヨシミさんを派遣する予定です。2時間前後、もう一度、ご連絡をします。
はい? 奥様へのメールを、ですか。はい、いいですよ。連絡が取れていないのですね。ええ、私の携帯で、やってみますね」

閉ざされていた厚い壁がなくなり、目の前が開けてくる気がした。わくわくして電話を切った。

手配は、すべて終えた。あとは待つのみ。フッーと、安堵の呼吸をして、メイキングされたベッドに、仰向けに倒れこむ。
助かったあー🎵 自然に小さく呟いていた。

しかし、それほど現実は、甘くないのを、やがて思い知らされるのだが、この時は、知るよしもない。

そうだ、マリーさんから電話があるまで、瞑想だ。ベッドの上に起き上がり、呼吸法をし、瞑想に入る。
だが、目を閉じるや否や、これまでのことが、フラッシュバックされてくる。

プレゼントされた、フィンランド航空機内の、ゆったり寛いだ至福の時と空間。
「蜜蜂と遠雷」の作品世界と重なる甘美な惜春への涙。
空港に着くと、懐かしい石畳の街をタクシーは走っていた。

その天国からあっという間に、地獄への逆転。散歩の途中で、立ち寄った一流ホテルのロビーで、文字どうり、無一文になった。パスポートも財布も手帳も何もかも盗られた。読み差しの「蜂蜜と遠雷」の本1冊を残してー。

とても瞑想どころではない。
さまざまな妄想が浮かび、波打つ感情が押し寄せては、消える。そうした雑念を、静かにトレースして、静かに眺める。それが、コツなのを、長年の体験で知っている。やがて落ち着いてくる。
落ち着いたところで、あらためて呼吸法をして、ゆったりと瞑想に入った。

~静けさが、次第に拡がっていく。マントラに乗って、意識の深い海とも言うべき世界へ、入って行く。暗黒のはずなのに、無限の広がりは、どこまでも明るく、時間が止まっている。いつしかマントラは消えていた。
もう、何もない。世界の果てまで、透明に広がっている。空(くう)の世界ながら、多幸感と平安の満ちる静止している宇宙だ。

~やがて、広がる静寂のなかから、そっと立ち上がってくる微かな想念がある。そのまま受けとめる。
その想念が、そっと話しかけてくる。言葉にならないことばでー。
ああ、わがパスポートだ。さらに、使いなれた財布。バッグも。手帳までも。どこか、懐かしく、愛(いと)おしい。それぞれの身の回りのグッズたちが、いま、寂しがっている。僕を呼んでいる。
まるで、我が分身のようだ。出かけるぼくに、愛しているペットが、早く帰って来て、と見上げる目つきだ。

お前たちは、新しい主(あるじ)と一緒になるんだよ。大事にしてもらいなさい。ぼくからも、新しい主に頼んであげるからね。

どんな方か知らないが、どうか、彼らを、可愛がってあげて欲しい。けして乱暴にしないで。粗末にしないで。彼らになんの罪はないのだから。お金は、どうか、いい形で役立ててくれると有り難い。できれば、一言でいいから、彼らお金に、有り難う、と言ってくれると、嬉しい。有り難い。
それにしても、パスポートよ、ごめんな、更新したばかりなのに、早くも離れ離れになるなんて、僕の不注意から、苦労かけるね。許してほしい。ホントにごめんね。
持って行った人よ、パスポートを、どうか、乱暴にしないで欲しい、変な所に捨てないで欲しい。できれば、心優しいかたに、拾われて欲しい。

~そうした想念の波は、私をくるみ、しばらくすると、静かに立ち去っていた。
盗まれた品々も、それを盗って行った人も、なぜか、全てが愛おしい存在に思えくる。

瞑想を、終えて、しばらく、ベッドに横たわっていた。
一切の不安も焦りも、まして、怒りや悔しさも、消え去っていた。
なぜか、目尻から流れていた一筋の涙を、拳で拭いて、ベッドに起き上がった。
そのとき、電話が鳴ったー。

元気よく電話に出た。マリーだった。
「手配は、つきました。」さっきと違い、なぜか口調が硬い。不吉な予感がする。
残念ですが会社として、お金のお立て替えは、出来ません。それに、2時間なら80ユーロ、3時間で130ユーロを、その場で現金払いとなっています。お支払出来なければ、手配は致しかねます。電話口から冷たい声が聞こえた。ショック!
交通費も、ご自身のご負担です。大丈夫ですか?
(大丈夫なものか。100ユーロ借りて、タクシー代とチップで20ユーロ。残り80ユーロ。電車代を入れると、ガイドへの支払いが足りないじゃないか) しかし、ここで、電話をきられては、万事休す。また振り出しに戻る。微かな帰国の糸が、切れてしまう。
「はい。大使館で借りたお金がありますので、ご心配いりません」
仕方がない。嘘も方便だ。
すると、マリーは、ほっとした声で、それでは、明日の朝、一番にヨシミさんが行きますので、宜しくお願いします。そのあと、少しくだけた口調になり、日本の奥様に、私の携帯から今回の事情のメールを送信しておきましたよ。問題ないと思うわ。と言って電話が切れた。
嬉しかった。多分、枝美佳への連絡は間違いないだろう。

もう、明日の朝まで、やることはなかった。夕陽は、とっくに沈み、窓ガラスに外のビルのネオンが、反射している。

今日こそ、読みきろう、ページを開く。「蜂蜜と遠雷」の最終章にちかい。ーー遠くまで来てしまった。青春の一時期、誰もが夢見る自分の天才とコンプレックス、自負と引けめと、純粋性と傲慢さ、その制御のきかない生命力の発露は、とうに消え失せたのだろうか。ーー引き返すことの出来ない道、残照が照らす晩秋の人生の細い道。

読むほどに、ページから立ち上がってくるメロディーとともに、激しい青春の命の容赦しない炎のぶっつかり合いの火花が、遠雷のような埋もれかけた追憶を、あぶり出し引き出してくる。生き生きと飛び跳ねる登場人物らに重なり、それと対称的なセピア色の我が青い命ーー哀惜と追憶ーー引き返すことのない道への限り無い悔恨ーー読み進むページに、不覚にも涙が溢れ落ちる。しばし、ページを閉じて、子供のように、声を出して泣いてみる。やがてその泣きじゃくる声を消すかのように、本の紙の奥から、轟くようなオーケストラの圧倒する音が、押し寄せてくる。

何をしているのだ、俺は!
その時、電話が鳴った。枝美佳であった。悪いことを見つけられた子供のように、慌てて、しゃんとして、平気を装って諸々の事情を話した。

こちらが頼む前に、枝美佳は、てきぱきと、すでに必要なことを手配していた。送金方法だけは、マイナンバーがいることなど、大使館員に聞いた通りを伝えた。マイナンバーなんか、どうなっているか全く知らないからだ。こんな時に必要とは、国の作戦のような気が、しないでもない。

∮ 翻弄されるだけのムラッチ∮




〈彼らが、ぼくを呼んでいる……!〉

「70万円の得で、130万円の損の出会いとは?」 ~お情けのパンと一杯のコーヒー ~その5

2017年5月24日
 【人生・不思議体験,チャンスをつかむ】

  

この部屋が、唯一の安住の地か!?・・・。



ようやく、手に入った100ドルから、タクシー代+チップで残り80ユーロがわが味方!?




「70万円の得で、130万円の損の出会いとは?」
~お情けのパンと一杯のコーヒー ~その5

細身の、背の高い親切な大使館員は、終始穏やかで、わたしを次の部屋に案内した。
そこは、図書館のように広く、テーブルと椅子が幾つもあり、資料の棚がずらりと並び、部屋の三分の一を占めている。

窓側の壁のコンセントに携帯を繋ぎ、彼は、言った。
「日本のご自宅に繋ぎますから、電話番号をー」と聞く。さっとメモして渡す。
しばらく、携帯に耳を傾けていたが、
「うーん、お出になりませんね。続けて、コールしてくれますか。わたし、書類を持ってきますから」
と、携帯を私に渡す。
受話器に耳をおし当てる。
(はやく、出てくれ。緊急なんだよ❗)

だが、コールベルは空しくなっているだけである。

およそ、緊急なことなんて起きるはずがない、妻の枝美桂は、そう思っているタイプである。
まして、年に何回も海外に出て、しかも国内に居ても一ヵ所に一週間もいることなく、浮遊しているような私に、注意なんか払っている訳がない。
そんなことをしていると、身が持たないだろう。

もうひとつは、どんな災害の時にも、うちの宿六は、無意識のうちに、必ずすり抜けてきたと言う、過去の実績を、彼女は、確信して疑わない。なんと言う絶大なる信頼か⁉️
自分の亭主に限って、「人生にまさか!」はないと安心しきっている。ああ、そうした過信が、今は裏目に出ている。

今回は違うぞ❗
正真正銘のピンチ。この広い地球で無一文・1円もないんだよ。
たのむ、電話に出てくれ❗

しかし、電話のコールベルは、空しくなりつづける。
そこへ、大使館員が、書類を持って現れた。
「奥さん、まだ、出ないんですか?
うーん、時間がありませんよ。まず警察への盗難届を警察に行って取ってきてください。
ここ大使館は、午後5時になると閉じられます。あと二時間でクローズされます。

村田さんが取ってきた警察の正規の盗難届をもとに、渡航許可の必要書類は、つくられるのです。

早くパスポートの盗難届を警察でもらって、再度、大使館に来て手続きをしてください。残念ですが、もう今日中はむりですよ。
大使館は、明日と明後日お休みで、月曜日に来て下さいますか?

えっ! 月曜日にご帰国ですか。夕方の便?
さあ、それでは、時間の勝負になってきますね。

月曜、とにかく、あさ一番に来て、写真、盗難届を出して頂き、渡航手続きをここでしてください。
書類を完成させます。私の仕事ですから。
その間、日本からの送金をしてもらい、お金を準備する必要もありますね」
わかりましたと言い、焦りつつ、誰も出ない電話も切った。
腕時計を見る。ここのクローズまであと一時間半か。

大使館員が、略図を出して私に、警察のかなり遠い複雑な道順の場所を教え、電車での行き方を示す。
しかし、警察署は、郊外に近く、そこまでは複雑な経路である。一人じゃ、行けないなと、思いつつ聞く。
「警察では、フィンランド語ですか、英語ですか?」
「英語で、多分、通用するはずです。書類は、フィンランド語ですよ」
そのあと、日本からの送金方法を詳しく聞く。それには、役所に登録された「マイ・ナンバー」が必要らしい。枝美桂に連絡さえつけば、どうにかなりそうである。

しかし、警察へどうしていくか、うまくコミュニケーションがとれるか。時間に間に合うか、無一文であることなど。さまざまな不安がよぎる。

が、それを圧し殺して、明るく、元気にお願いした。
「助かりました。本当に、有り難うございます❗
日本からの送金もうまくいきます。すっかりメドがつきました。
それで、★★さん、100ユーロ、個人的にお貸しできますか。月曜には、送金されたなかから、すぐお支払い致します」
ゆっくりと笑顔で、ゆとりを持ってお願いした。
親切な彼は、ちょっと待っててください、と言い残して、事務所へ行き、もどるとコイン混じりで100ユーロを机に並べてくれた。

飛びあがるほど、嬉しかった。
こんなにお金が貴重なものとは❗
テーブルに並べられたユーロが、輝いていた。

100ユーロを手に、お礼をのべ、タクシーを呼んでもらった。
大使館員は、私をエスコートして階下に降り、ドライバーに行き先のホテル名を伝えてくれた。

タクシーの中で、100ユーロを握りしめながら、これからやるべきことの手順を頭の中で整理した。
①水道水をペットボトルに入れる。
②至急、フィンランド市内の日本人ガイドを探して貰うこと。。
③妻の枝美桂宛てに依頼したファックスの回収。
④ファックス以外に日本の連絡方法を見つけて連絡をする。

クルマが、ホテルに着く。
車のメーターは19ユーロと10セントだ。
20ユーロを渡して「お釣りはいらない」と言うと、ドライバーはニッコリした。

レセプションに行き、「大使館に行く前に頼んだ日本へのファックスを、返してください」
大柄のいつもの女性スタッフが「どうぞ、でも、日本に届いたかどうかは、不明です」と、唯一の私の名刺をホッチギスで止めたファックスを戻してくれた。
次に「大至急、市内の
個人でも、法人でもいいから、ガイドを探してくれますか?」
すると、そばにいた太った60代の男性が、わかった、自分が探してやるよ、とコンピューターの画面に向かった。

すると、先ほどの大柄の女性が、
「ミスター村田、お腹空いているでしょ。
ここへ来て、好きなサンドイッチとコーヒーを選びなさい。お金入りませんよ。それに、部屋でゆっくりして❗
彼が、日本人ガイドをみつけたら、お部屋に連絡をしますから、部屋で待っていてください」


急に親切になったのは、なぜだろうか。急に、空腹に気づく。
好意に甘えることにした。
両手でもつほどの、ぶ厚さのサンドイッチと、熱々のコーヒーを持って、部屋に入った。

水道水を湯沸かしに、たっぷり入れる。フィンランドの水は、水道水でも飲料にできて、美味しいのだ。気がつくと空腹だった。

湯沸し器が、軽く音をたてて、湯気をだす。

サンドイッチと一杯のコーヒー。湯気を立てているポット~人々の温かさが、じわっーと押し寄せてきた。

空腹のお腹に、コーヒーが染みる。朝から、走り回っていた気がする。やるべきことがたくさんあるのに、ふっと、安らぎが一瞬襲ってくる。全てが、ありがたい❗

電話が鳴った。
ハッとして、一回、二回とコールベルを数えながら、そっと受話器をあげた。
聞きなれぬ女性の声ー

「もしもし、私は、フィンランドにおけるツアーのマリです。ホテルのレセプションを通じて、ご連絡があり、お電話しました」

     ♪一瞬の安らぎの
           ムラッチ♪









「70万円の得で、130万円の損の出会いとは?」-緊迫する国際情勢とノー天気なボケむらっちーその4

2017年4月29日
 【意図的シンクロニシティ,金財運,人生・不思議体験】

イケメン、ユーシの運転するクルマは、ヘルシンキの港・有名な星型のスオメンリンナ要塞へのフェリー乗場につながる石畳みの、大好きな公園通りを走る。

左手に、よく行く洒落たガラス張りのユニークな建築の、キャフェ・レストランを見ながら通過したかと思うと、すぐに左折した。


この辺りは初めてだなあ、と思う間もなく、クルマは何の変哲もない大きなビルの前に、スーッと停車した。


思わずキョロキョロする。ん? 大使館は? 東京・麻布では、散歩コースに、華麗で豪壮な門構えの威圧するような建物があり、時にポリスの姿も見られた。


ユーシの後のついていくと、ビルの柱に小さなプレートがあった。「在フィンランド 日本大使館」小さい看板だけれど、頼もしく光って見える。もし一人で来たら、探すのに時間がかかっただろう。彼は、ためらうことなく、幾つもの企業が入っているそのビルの重いドアを押して、一緒に入った。

金髪の美しい受付嬢に会釈した彼は、さっさと私を促してエレベーターに乗り5Fのボタンを押す。

彼は、何回も来ているのだな。


エレベーターを降りて、えっ? 1・5メーター先の目の前に壁? 左右は3メーターぐらい先に壁じゃないか。するとユーシは、たじろぐ私にお構いなしに、左側の壁に手をのばした。インターホーンだ。

早口で、何か言うと、正面の壁を手で押した。壁ではなくドアーだった。入った。また、エッ?となった。またまた、関所だ。

なんと、空港のX線検査ゲートとおなじものがある。その向こうに、制服こそ着ていないが、いかめしい大男が、ニコリともせず、真っ正面にたっている。


ユーシに促されるまま、一人ゲートをくぐり抜けて、彼を振り返った。ゲートの向こうから彼が、早口の英語で言った。

「わたし、ホテルに、もどります。ミスタームラタは、そこで教えてもらって、ホテルに、帰って来てください」

「オーケー、問題ないです。有難うございます」


テーブルと椅子が20脚以上もありそうな広い待合室。静かだ。訪問者は自分一人だけか。いすにかけて、大使館員を待った。

それにしても、一体、いつから、こんなにも厳重になったのだろう。


随分まえのこと、ニュージーランドのオークランドに、3か月滞在した折、借りたマンションの斜め前の「領事館」に領事を訪ねたが、受付も待合も領事の部屋も、広々として、何よりも明るく解放的であった。

また、大坂の「ロシヤ領事館」には、藤波孝生衆議院議員に頼み、ロシヤの少数民族のナナイ族訪問のことで協力を要請に訪れた。むろん、そこは、華麗な雰囲気で文化的ではあっても、大使館内でX線ゲートをくぐるなんて、想像も出来ないことであった。


いま、国際情勢の悪化は、至るところに現れている。


国際情勢の緊迫感は、個人を直撃する。


日本人ジャーナリストが、テロ集団・イスラム国の兵士に殺害されたその時、イスタンブールの空港にいた。ちょうど、帰国の飛行機に搭乗しようとしたとき、ストップが掛かり、何時間も待たされる羽目となり、説明があったのは、ずーとあとのことだった。ロシヤの空港では、説明のないまま、何時間も個室にまたされる。拘束しようとすれば、どうにでもなるのだ。いずれも、一人旅である。


拡散するテロリズムと、おそらく人類史上二番目となる民族大移動の難民。各地の紛争といった渦の中で、吹けば飛ぶような「個」のもろさと「国家権力」の強大さとを感じる時、無力感にさいなまされる。


たった一冊のパスポートと言う小さな手帳が、自分の生命と財産とを守る証とは…!


ふっと、気がつくと、背の高い30代に見える大使館j員が、現れた。電話に出た方のようだ。

「お待たせしました。村田さんですね」

ハイ、村田です。お電話では、ありがとうございました。よろしくお願いします。と言いつつ、内心ではお金を借りることで、いっぱいだった。

(50ユーロは、個人的に写真用に貸してくれると電話で言ってくれた親切な方だ。けれども、100ユーロを借りたい。いろいろ、電話もしたいし。でないと、身動きとれないから。どのタイミングで切り出したらいいのか)




Finnair(フィンランド航空)のこの時期、70万円もする席をプレゼントされたのはいいけれど〰️
「行きはよいよい、帰りは怖い」➰その名残りが、このさみしいグッズだけ⁉️


 §ノーテンキでも100ユーロが欲しいムラッチ§





「70万円の得で、130万円の損の出会いとは?」一それは引き寄せの法則か偶然か一 その3

2017年4月20日
 【人生・不思議体験,セミナースケジュール,願望成就】



     「これがフィンランドで持っている全財産。個人的に貸して下さった虎の子100ユーロ」



「70万円の得で、130万円の損の出会いとは?」その3
ーそれは引き寄せの法則か偶然かー

現金もカードも携帯も、一切をなくし、凍える石畳を踏む足先から、冷たさが、体の芯に伝わってくる。
自分のホテルの玄関のドアを開けると、いきなり、熱気のような温かさが、顔面をとらえる。
どこか、わずかにほっとしながら、まっすぐレセプションに向かう。
人柄の良さそうな温和に見える50代後半の大柄の男に言った。
「あなたが、マネージャーですか?」
怪訝な顔で「いいえ、違います」
「マネージャーにお会いしたいのですが」
「どんなご用件ですか?」
「604号室の村田ですが、じつは、現金やパスポートから携帯電話まで、一切を盗まれて、一文無しなんです。それで、連絡費用が必要で、100EUROでも、お借りしたいと思いまして」
と語りながら、あけすけにしゃべったのは、不味かったかな。チラリと頭の片隅で思う。
ビックリした彼は「ほんとですか?うちのホテルでですか?」彼はマネージャーのことには、ふれず、質問してくる。
「違います。Sと言うホテルのロビーで、です」
彼は、どこか、ホッとした表情で「ちょっと待って」と、あたふたと、オフイスヘ姿を消した。

戻ってきた彼は、両手を広げ肩をすくめて、しかし、きっぱりと言った。
「お気の毒ですが、うちには、お金を用立てると言ったシステムありません。マネージャーは、そう言っています」
たぶん、この様子なら、粘っても無理だろうなと諦めた。仕方なく「キートス」と言って、レセプションの反対側の棟の自分の部屋に急いだ。

部屋にはいる。
早く、日本の家人に連絡しなくちゃ。住所や電話番号を書いた手帳も一緒に盗まれている、枝美桂の携帯電話も覚えていない❗どうする?
何かヒントはないか、持ってきた仕事の資料や原稿用紙をひっくり返す。あるはずがないよ。ひとりで呟きながら、もう一度、スーツケースと、7、8人から頼まれた代理で行う風水気学の木気法や固定符の包みを解く。となかから、一枚の自分の名刺が、ハラリと出て来た。

助かった❗
部屋の受話器をあげる。枝美桂のいる桂坂の家に電話だー!
しかし、受話器の向こうからは、一切の反応がない。外線に繋がってないのだ。何回やっても同じだ。交換手に電話をする。冷たく、なにも言わずに切られる。数回試すが、同じだ。

しまった❗やはり、先にレセブションに行ったのが、まずかったんだ。
一文無し、と言ったのが、いけなかったんだ。ホテル側からしたら、当然の処置であろう。
そうわかると、呆然として受話器を置いた。
20代のころ、マカオに行ったとき。カジノで、持ち金全財産を負けて、電話代もなく、ホテルで立ち往生したことが、頭に点滅する。

小肥りの小柄な日本の観光客らしい中年の男性に、声をかけ、羽田空港で返済する約束で、一時お金を用立てて、もらったことが思い出される。
たまたま、声をかけたその行きづりの中年男性と、帰りの飛行機が同じ、と言う「偶然」が幸いしたのだ。

あのときは、借りた金で、東京に、電話をいれて、妻にお金を羽田空港に持ってこさせて、ことなきを得たのだがー。
が、今回はちがう。

残念だが、このホテルに日本人はいない。どうする?
そうだ、大使館か、領事館だ。ヘルシンキは、どっちだ。どっちでもいいじゃないか。部屋の電話がダメなら、レセプションで借りよう。
待て待て、日本の家にファックスを書いて、送ろう。これも、そこで頼み込むのだ。

手短に、内容を書く。のんびりした枝美桂が、ファックスを見てくれるかどうかだが。2、3日見ないこともある。それでもいいじゃないか。

ファックスの表に大きく赤色で「Emergency!」と書いた。

レセプションに行く。
先程の男がいる。日本大使館を調べてくれますか?
と言うと、にっこりしてうなづき、パソコンに向かった。
その彼に、場所と電話番号とをお願い!と畳み掛けると、再び、うなづく。
彼がPCで探している間、少し離れたブースの女性に、これを日本にファックスしてくれますか? と頼むと足早に、事務所に行くが、すぐ戻ってきて、気の毒そうな顔をして、首をふる。
忙しくて、色々つまっていて出来ません、と言う。

せっかく書いたファックス用紙が戻された。呆然とする。
と、さっきの男が、呼んでいる。そこへ行くと、日本大使館の場所と電話番号とを言う。
「有り難う🎵言葉が不自由だから、あなたが、大使館に電話をしてくれますか?そしたら、私が出ます」
わかったと、彼は電話をした。相手にフィンランド語で早口に語って、受話器を私に渡してくれた。

しばらく、すると、大使館員がでた。咳き込むように彼に事情を、一気に語る。

若い声で、落ち着いた口調が受話器から聞こえた。
「渡航証明書を作る必要があり、それには、規定の写真二枚を持ってきてください。ここの場所は、ホテルの人に聞いてくれますか。一時半までお昼休み。午後5時までの業務ですからね。
えっ、写真代金もないのですか?
はあ、一文無しですか。ウーン❗、困りましたね。仕方がありません。手続きの為、ここへ来ていただきますが、わたし個人的に50ユーロ位ならお貸しします。それで、写真はとれます。
明日から、2日間は、大使館は休みですよ。
盗難届け出を警察に出し、その証明書と写真二枚を持ってきて、初めて、渡航証明が作成されます。
はい? 明日の土曜日、明後日の日曜日は、、大使館はおやすみです。
ご帰国が、月曜日ですか。何時にご帰国?
えっ! その日の五時ですって、綱渡りですね。とにかく、今日、来られないとご帰国が、どうなりますか。
申請書を渡す。あなたは、写真をとる。警察に行き盗難届け出をだし、その書類を、こちらに持ってくる。
それから渡航書類作成の作業をするのです。すべて月曜日の作業ですね。

時間がつまってますよ。
はい?
2時頃こられますか?、わかりました。お待ちしています❗」

とにかく、行かないと、始まらない。
警察、写真ーは大使館のあとだ。
時間的にさし迫っている。

受話器をおき、彼にキートスと言って、そこをはなれた。
戻されたファックス用紙を手に、別棟の入り口のオフィス風のコーナーに向かった。そこは、バンケットや何かの会議などを仕切るコーナーではないのか。

かすかな望みをつないで、ファックスを差し出しながら、ここで、これを日本にファックスしてくれませんか、とズバリ言った。
20代後半に見える背丈の低い、が人形のように整った顔立ちの女の子が、てきぱきした動きで「オーケー」と元気に用紙をひきとり、
上司か先輩らしいイケメンの青年に早口で何か、言った。二、三受け答えしたと思ったら、「あそこのレセブションで送ってもらってください」と、先ほどのレセプションを指差す。

「じつは、あそこで、頼んだのですが、出来ないそうです。忙しいのか、理由はわかりません」
すると、若い勝ち気そうな美女が、イケメンと二人で改めて、ファックスの表に見いっていた。
「Emergency」を指差して
どうしたんですか、と聞いてきた。洗いざらい説明して、これを日本にファックスし、同時に、日本大使館にも行かなくてはならないのです。と言うと、二人の態度が変わった。

二人のその反応は、素早かった。
青年が、レセプションに行き、そこのスタッフに何かを言い、改めて、日本大使館の住所をPCで確認。
背の高いイケメンは、私を見下ろすようにして、言った。
「2時頃の約束ですね。大使館にタクシーで行きたくても、お金がないわけですよね。
わかりました。私が、車であなたを連れていきます」
聞いていた小柄な美女が、テキパキと、私の手から、ファックスをとると、

「オーケー、このファックスは、私が、あそこの事務所から、送ってあげる。
これ、ジャパンの電話番号のネームカード?
オーケー。彼と大使館に行っている間に、ファックスをする。ノープロプレム」
頼もしい言葉に、目の前がパッと明るくなった気がした。

彼女に、「そのネームカードは一枚しかない。それが唯一の連絡先です。ですから、必ず、私に戻してくれますか」
彼女は、人差し指を立ててウインクをしながら、分かってるわよ、と言った。

イケメンが、言葉すくなについてこい、と、ゼスチャーで示す。
あとに従うと、ホテルのビルの地下に降りた。彼の車に黙って乗り込む。

言葉が出ない。沈黙。急に泣けてきそうになる。

イケメンは、ハンドルを握って何も言わない。
勤務中なのに、いいのだろうか。無言。
小柄な白髪の老いたる東洋人のために、連携して動く若い女性と青年の姿ーー面倒なことに関わりたくないハプニングに、積極的に介入する二人ーー
我々現代人が忘れかけている何かを思い出させてくれるような二人の姿。

街のなかを、巧みに走る。

「お名前、聞いていいですか。私は村田で、日本から来ましたが」
微かに笑みを浮かべ、短く「ユッシー」とポツンと言った。「ユーシー」とも聞こえたが、聞き返さなかった。
今年中に、もう一度、ここへ来ようか。そして
同じホテルに泊まろうか、そんなことを考え、今度来たら、彼を食事にでも
誘おうかーそれとも、手紙を書こうか。

見慣れた街並みもある。
マリメッコの店も通りすぎる。ヘルシンキにきたら、必ず、立ち寄りキャフェレストランで、好きな本を読む贅沢ーー今回は見送りかなあ、と思っているうちに、あるビルの前で静かに止まった。

小さなplateに「在フィンランド日本大使館」とある。

後で知ったことだが、やはり、彼につれてきて貰って良かったと、中に入るとき思った。

世界は、リスクに満ちている。日本は、平和過ぎる。
いいことですがー!

★ 平和ボケのムラッチ★







70万の得で、130万円の損の出会いとは?ーそれは、偶然か、偶有性かーその2

2017年4月12日
 【気学,意図的シンクロニシティ】

    

「日本の桜が、海外で大人気。春のヘルシンキからの航空便は満席❗」




「神社・仏閣と階段と桜は日本の情緒だ」




まさか、地獄・奈落へ落ちる思いがするなんて、知る由もなく、AY078機は、ヘルシンキの空港には、3月23日の昼下がり定刻に着いた。

促されて機外に出る。が、頭のなかは赤いワインの液体と、まだ読み終えてない小説作品の世界で、いっぱいだ。ほとんど寝てないが、ワインと小説で火照った身体は、タクシー乗り場で冷たい外気に触れて、心地よさが増す。久し振りの大好きなフィンランド。

名作(出版されたばかりだから、評価はこれからだろうが、私には名作である)「蜜蜂と遠雷」の世界に浸りながら、言葉では表現できないほろ苦く、どこか甘い惜春と、取り返しの出来ぬ地点まで来てしまった、おのれの人生の過ぎ去って行った煌めく月日と言う時間の流れーーータクシーのゆれに身を任せながら、思う。「このセンチメンタルも、エトランゼであることと、あの作品世界を触媒とする心の奥に畳み込まれた、それぞれの人生を綾なすピースの一つ一つが、美しい旋律とともに、映像を結んでいくからだろう」と、自分で自分を納得させる。

予約した半円形のビルが二つ並ぶ、メガネ型のホテルの玄関に、クルマはすべりこむ。47ユーロとメーターの表示だ。おお、少し近道をしてくれている。うれしくなる。タクシードライバーに50€をわたし、おつりは、どうぞ。と言うと凄く喜んでくれた。

わたしより背の高いチェックインカウンター譲が聞く。どんなお部屋、ご希望です?

お任せするよ、眺めが良ければいいよ。では、604号室です。にこやかに言い、向こうの棟のビルですと指さした。

部屋はツイン。広いテーブル。ゆったりしたソファーセット。仕事がはかどりそうだ。

ベッドに寝ころんで、部屋のキーの604の番号を見る。「そうか、今年の象意そのものだ。新しいスタート、必要なことの復活か」ーーでも具体的には何だろう。仕事も家庭生活も人生観も、さらに、人間関係や仕事のやり方も見なおす、と言う事ではあるがー。この時、後に起きることと密接にリンクしているとは、つゆ知らず、多幸感に包まれていた。

ベッドから首をもたげると、ヘルシンキの街が見える。夕暮れ時か、ビルの上の空が、刷毛ではいたような薄いブルーで広がり、オレンジ色の夕陽が一部の建物を染めている。

平和で穏やかな夕景。窓側に立つと、公園風の広い緑地帯の左右の美しい歩道を、三々五々、背の高いスマートな人々の歩く姿。森と湖の国。周囲の大国にいじめられてきた歴史を持つ国。だが原発を五基を持ち、原発廃棄物処理のオンカロのある国。それでも、大好きなフィンランド。

満ち足りた喜びのまま、ベッドに戻る。仕事よりも、読みさしの「蜂蜜と遠雷」のページをめくる。

至福のひととき。たちまち作家・恩田陸描く虚構の真実空間に入り込む。ベッドがまるで旋律を奏でて、空間に登場人物たちのひたむきな姿が映し出されているようだ。

抑えがたい感動は、とめどもなく溢れる涙となって吹き出てくる。ページの行間から立ち上がってくる演奏される音。その音の紡ぐ世界が迫ってくる。古今の名曲のその音は、理性と意志とを奪う。裸の魂の喜びと、その中にある哀切と。いったい、この溢れる涙は、何なんだ。

次の日、魂の至福の時は、一気に暗転した。

3月24日、午前11時半から13時の間に、それは、起きた。

この日、朝8時に自分のホテルをでた。気学的奉斎のいい場所の下見に出かける。3時間半歩いてめどがつき、ヘルシンキでは、最も大きく古いホテルの一つの、広々としたロビーに入った。

疲れた足を低いテーブルにのせ、その上にコートを掛けた。白い布製のバックにすべてを入れ、それを、両膝の真下に置く。

ペットボトルの水を飲み、おもむろに本を開き、続きの作品の世界に入る。ページをめくりながら思う。1時になれば、ここを出て、途中で見つけておいた、すし屋でランチにしよう。それにしても、なんとも騒々しい。凄い団体客だ。アジア系と中東系の団体はうるさいなあ、白人はカップルが多い。そうした旅行客らしい中に、打合せか休憩の地元の人たちも、増えてきたようだ。ごった返す雰囲気の観察にあきて、小説に熱中した。

ふと、気がつくと、周囲に誰もいない。

えっ 誰もいない。広いロビーに人影はない。背中の方をを振り返ると、10メートル先のカウンターに、ホテルの若い女性達が、暇そうに雑談をしている姿が小さくみえる。膝の下のバックに手を伸ばす。ない。ない。ウソだろう。

立って、探す。ない。えっ これって現実?そのあたりに、チャンとあったりして。広いロビーを見渡す。見事に自分がたった一人だけだ。バックは? ないものはない。

現金のすべて。パスポート。携帯電話。手帳。ショール。2冊の本。

誰が見ても、顔面蒼白だったろう。午後1時半。

慌てて、カウンターに行き、警察を呼んで下さいっ と何度も言うが、ダメだ首をふる。自分で警察に行け、という。

たぶん、呼んでもダメだろう。事情聴取で終わりだろう。1円もない。携帯もない。どうするっ?思うほど、絶望的になる。

まず、自分のホテルに、戻り、それから考えよう。

手元に残った小説本一冊だけを、抱きしめて、外に出た。「この出来事は、偶然か、偶有性なのか。この出来事との出会いは、いったい何なのか」固く冷たい石畳を踏みしめながら、孤独の恐怖がはじめて迫ってきた。

冷たい風が強く、寒い。一円もなく連絡手段がない事に、改めてパニックになりそう。それほど、お金と携帯に依存していた自分。歩きながら考える。お金がない事実をふまえてどうするか。最低限今すぐやることは何か、。

①まず、日本または日本人に連絡を取ることに全力を尽くすこと。
②次に、水の確保だ。

凍える思いで、自分のホテルに、飛び込んだ。



   § 顔面蒼白ヨレヨレのむらっち §








【70万円の得で、130万円の損の出会いとは?】 その1 

2017年4月1日
 【人生・不思議体験,セミナースケジュール,願望成就】


無一文になり、電話も切られ、この国から、どう脱出するか
?

ホテルから見るヘルシンキの街。



これは、3月末のフインランドでのこと。賭け事でも株の事でもありません。とんまなムラッチの旅先でのハプニング。幸運と不運の出来事との出会いによる顛末のレポートです。


3月23日、関空から、ヘルシンキへ。ごった返すヘルシンキ行き。

「往復とも満席状態ですよ。帰りは、特に日本への直行便のフィンランド航空便は取れません。韓国止まり。いったん韓国へ入国し、そこから改めて、出国手続きしてアジアエアーラインで、日本へ帰国となります」と言う、ツアー会社の内山さんの言葉を、この時、いとも軽く聞き流していた。


出国前の混雑、どしてこんなにも込むんだ、と思いながら、カウンターに行くと、日本の桜は有名で、特にフィンランド航空では、相当前からそのキャンペーンで、航空券が売切れ状態です、とのチェックインカウンターのグランド嬢の説明。また、フィギュアスケートの世界大会で、羽生結弦選手など世界から、ヘルシンキに集うのも、混雑の原因らしい。重なったか。


村田様、いつも、ご搭乗有難うございます。今回、ビジネスクラスをご準備致しました。えっと、驚きながら、ファーストクラスは、空いていないの?(エコノミーのチケットなのに、グローバルとスパーフライヤーズのメンバーではあるが)

と、図々しく感謝の前に聞く。あいにく、この機種に御座いませんが、同じクオリティーですよ。と言う、担当者に、初めて、ありがとうと言う。


後で知るが、この時期のビジネスクラスは、70万円する。

機内のシートは、思いっ切り贅沢な作り。一人掛けとカップルのための二人掛けのゆったりしたシートが、キャビンに交互に並ぶ。

窓際と通路にまたがり、水平にも寝れる広い一人掛けに、ゆったりして、身を沈める。


ああ、何という幸運! ラッキー! 

関空へ送ってくれた妻の枝美佳に、その喜びのラインをおくる。


ビジネスのキャビンは、6割程度のお客。静かなムード。

頼んだ赤ワインを口にしながら、「蜜蜂と遠雷」恩田陸の直木賞作品508ページの大作。読みだすと、やめられない、とまらない。溢れる涙を、どうしよう!


ワイングラスを傾けながら、この幸せ感と、作品を触媒とする若き日々への惜春とメランコリーとがないまぜにになる。哀愁のどこかに匂いたつ多幸感。その天国のような情感に酔いしれていたかもしれぬ。

そのあと、顔面蒼白となる、地獄が待っているともしらずにー!





空港//フィンランド航空のラウンジ




フィンランド航空のラウンジ。ワイングラス越しと肉眼のレンズの情景。対象は、ひとつ。善も悪も一つの根 か  !?




ビジネスキャビン


天国の美酒に酔うムラッチ♬



「桃の花のなかで、逝った渡瀬恒彦さん」

2017年3月23日
 【人生・不思議体験】



  

「桃の花のなかで、逝った渡瀬恒彦さん」

 

寂しくなったなぁ、村田はん、と言ったのは、83歳になる義父である。

 

フィンランドへ発つ前夜、どうにか、時間をつくって夕食に実家を訪れたときの挨拶がわりの、義父の言葉だった。

 

俳優の渡瀬恒彦さんが、ガンで亡くなったことを、言っているのだ。

私は、渡瀬さんとは面識がないが、弟のテレビドラマの監督である忍は、渡瀬さんに気に入られていて、良く飲みに行っていっていたから、私に、そう言ったのだろう。渡瀬さんを主役にしたドラマで、弟の忍監督は、何かの賞も受賞していただけに、人に言えぬ深い何かを感じているだろう。

 

生前、渋谷の行きつけの店などで、何回かお目にかかった石原裕次郎さんが、亡くなったときは、深い喪失感にさいなまされた。

芸能界の陰のドンといわれた関さんが、裕次郎さんと兄弟のように親しく(と私には見えた)、その関さんに私は、可愛がられてもいただけに、悲しみは深かった。

 

「人には、死に頃がありますなあ」と、ポツリとつぶやいた元官房長官の藤波孝夫さんの言葉が、ずっと焼き付いている。

「死に頃があれば、生き頃もありますか?」と、すかさず言った自分が、今となれば、恥ずかしい。

 

 

     ★桃の花に酔うムラッチ      

星風アカデミー Facebookページ

運命を創る専門家/Dr.むらっちのモットー

運命カウンセラー。作家。心理学博士。健康科学博士。気学家。
略歴はプロフィールをお読みください。

気学などの意識の開発で、幸せを築く4つの豊かさを実現します。
1.自由な時間力
2.豊かな経済力
3.健やかな健康力
4.喜びの奉仕力

カレンダー

最近の記事

カテゴリ

アーカイブ

  • Dr.むらっちブログ
  • 体験者の声
  • カウンセリング/入会案内
  • 星風アカデミーとは?
  • 書籍・グッズ

ページトップへ戻る