シドニー・てんやわんやの大晦日 その4

ついに、大晦日だ。

ついに、と言ったのは、オーストラリアに来てやるべきことの、三分の一しか出来て      

いないからだ。

 午前二時(日本は午前零時)に寝て、午前六時に起き、東京のTさんに、昨夜の残り

の手書きの原稿を、写メに撮って、いつものように、愛用のタブレットで送る。それ

から安心して瞑想しよう、と。

毎年出版している「強運を創るー2016年の展望」の原稿ことである。

 寝る前に撮ってある写メをタブレットで送るだけだ。

ルンルン気分で、いつものように操作して、ビックリ! 押せども、引けども、送信

不能だ。12月19日も通信不能で、パニック。国際版ドコモに問い合わせる。

「ご契約の上限額です。ン十万に引き上げますと開通します」原稿は、まだ半分に

も達していない。泣く泣く、OKを出さざるをえないじゃないか。それなのに、そ

なのに、また上限を上げなければならないのか。と嘆いても、資本主義経済の世界

で通用するわけがない。

しかも、無知なくせに、懲りずに、タブレットと携帯電話をテザリングにしたのも、

上限額を再アップする原因だろう。

 

 仕方がない、枝美佳が起きて来たら、彼女の携帯を使おう、と決め、瞑想に入った。

雑念だらけを楽しんでいると(?)、しばらくして玄関で、ノックが再三する。

「どうぞ、入って」と、瞑想を破られ、やけくそだ。またノック。どうせ掃除だろ

と、時計を見ると10時を過ぎている。時間が飛んでる、ぶつぶつ言いながら、ドア

を開けると、いつもとは違った上品な若い女性スタッフが、

「失礼します。チェックアウト・インのお時間ですが、どうなさいますか?」

「今すぐ、レセプションにいきますよ」

すっかり忘れていた。ある期間ごとに、チェックアウトしてすぐチェックインするル

ールなのだ。慌てる。大晦日に、宿無しになってたまるか。

手続きを終えると、はや、お昼だ。7本の日本への連絡を後回し、遠隔の中和化8本

は、午前2時と決めている。今夜はシドニー湾で世界最大級の花火大会だが、原稿が

気になる。

書いている原稿にセドラチェク著「善と悪の経済学」(最近の欧州のベストセラー)に

触れているが、この解説者は、わが国の財界の大物であり、理学博士でもあるけれど、

それよりも、この方が、「ヨベルの年は今年の9月に始まっている」と言う結びの言

葉が、強く胸に残る。聖別が始まったといっているのだ。昔、やはり知性派の弁護士

が、聖別と空中携挙と苦難の時を説いて、日時まで指定していたことがあった。一時

期取りざたされたアセンションと同じで、予言された日時に、起きてはいない。

けれど、「善と悪の経済学」は、当たり前だとする現代の経済学の原則は、見直されるべきこ

とを示唆していそうだ。

すると、ドコモの携帯も、次々と、限度額を釣り上げずに済むかな。(そんなはずはない

って?) 決められたルールが善で、従わないのは悪である、というルール。だから、自

然よりも人間は偉いんです、とするんですね?

            「大晦日ついにボケたむらっち」


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